EOR(Employer of Record)は、組織に代わって労働者を法的に雇用する第三者企業です。
実際には、EORが法的および管理上の目的で正式な雇用主となり、依頼社は従業員の日常業務と業績を指揮します。
主な影響点
- 雇用契約はEOR法人の名義で発行される
- EORが法定雇用主の責任を負う
- EORが自社の法人名義で給与支払いと税務処理をする
- 依頼社が業務を指示するが、雇用主としての表記はされない
- 依頼社は現地法人を設立する必要がない
PEO(Professional Employer Organization)は、共同雇用モデルであり、当該管轄区域内に既に法人を設立している場合にのみ運用可能です。
主な影響点
- 依頼社が法定雇用主として存続
- PEOは人事管理(給与、福利厚生、コンプライアンス支援)を担当
- 雇用契約書には通常、依頼社名が記載される
- PEOが法定雇用主の代行をすることは不可
EORとPORの比較一覧表
| 項目 | EORの場合 | PEOの場合 |
| 法定雇用主 | EOR | 依頼社 |
| 現地法人設立の必要性 | なし | あり |
| 雇用契約 | EORの名前 | 依頼社の名前 |
| 給与負担 | EOR | 共有 / 依頼社 |
| コンプライアンスのリスク | 主にEOR | 共有 |
| 理想的なシナリオ | グローバルな拡大 | 国内での人事効率 |
W-2および941について
米国のEORモデルでは、EORが法定雇用主となります。したがって、EORは次のような米国の給与関連税務書類を発行・提出する責任があります:
フォームW-2
- EORのFEIN(連邦雇用者識別番号)で発行
- 従業員に提供し、IRS(内国歳入庁)に提出
- EORが賃金と税金の目的で法定雇用主であるため
フォーム941(四半期連邦税申告書)
- EORの連邦雇用者番号で申告
- EORが連邦所得税の源泉徴収額、社会保障税、メディケア税などを報告
EORは、アメリカの給与システムにおける公式な雇用主であるため、W-2および941の両方を提出し署名します。
依頼社は業務を指示(業務管理)しますが、EORが給与のコンプライアンス義務を負い、IRSによってその従業員の雇用主として認識されています。言い換えれば、従業員がEORを通じて支払いを受ける場合、W-2および941は法的にEORのEINに属し、依頼社のものではありません。
EORを利用する企業は通常、従業員一人当たりのコストを監視するための内部人員数または経営報告書を作成しますが、法的雇用主ではないため、これらのコストを給与として計上することはなく、したがって給与関連の書類(W-2、Form 941、または州の給与税申告書)を発行することはできません。
EORは就労ビザのスポンサーになれますか?
はい。EOR(Employer of Record)は、依頼社の従業員に代わって就労ビザのスポンサーになることができます。EORは法定雇用主として、ビザ申請プロセスの管理、移民法への遵守確保、必要書類の処理を含むビザスポンサーシップの責任を負います。
EORが米国ビザのスポンサーになれる条件
- EORが米国で従業員を雇用する法的資格を有する、適切に登録された米国法人であること。
- 必要な書類(例:労働条件申請書(LCA)やH-1Bビザなどのビザタイプ向けのI-129申請書)を提出し、米国移民局および米国労働省が要求する規制基準(専門職、一般賃金水準、雇用主-従業員関係、雇用管理権限)を満たすこと。
- EORが「雇用主-従業員関係」(従業員を雇用・解雇・給与支払い・監督する権限)を示すこと。
重要な留意・制限事項
• 全ての一般的なビザスポンサーシップコンプライアンス規則が適用されます:職務が要件を満たすこと(例:H-1Bの場合は「専門職」)、現行賃金を満たすか超えること、すべての書類・規制当局への届出が正確に行われることが必要です。
• すべてのEORプロバイダーがすべての要件(法人格のステータス、コンプライアンス履歴、米国移民法に基づく雇用主の義務を履行する能力)を満たすとは限りません。したがって、EORが申請雇用主として行動する能力と意志があることを確認することが重要です。
• EORを利用したビザスポンサーシップは成功を保証するものではありません。書類が提出されても、ビザの承認はすべての実質的要件(職務資格、一般賃金水準、有効な雇用主-従業員関係など)を満たす必要があります。
ただし、L-1(または特定の他の米国ビザカテゴリー)で人材を米国に異動させる目的がある場合は、非米国雇用主と米国雇用主との間に直接の法人関係(親会社/子会社/関連会社)が一般的に必要です。EORのみの契約ではこれらの要件を満たさない可能性があります。 したがって、依頼社の組織構造が米国移民法で要求される法的関係性の基準を満たさない場合、EORにL-1または類似のビザのスポンサーを頼るべきではありません。
申請者は誰になりますか?
従業員が米国においてEORの給与支払い対象者である場合、米国内国歳入庁および米国移民局の観点では法定雇用主はEORであり、依頼社ではありません。したがって、ビザのスポンサー(申請雇用主)として行動する資格のある当事者は通常EORとなります。なぜなら、EORこそが実際に賃金を支払い、税金を源泉徴収し、米国法に基づく雇用主義務を負っているからです。
しかし、ビザ申請が「必ず」EOR経由で行わなければならないという表現は、技術的にすべてのケースで正確とは言えません。むしろ、申請時に誰が法定雇用主であるかによって異なります。
シナリオA – EORを通じて従業員が雇われる場合
- EORが賃金を支払う
- EORが給与税を処理する
- EORが法定雇用を管理する
- したがって、EORは申請目的における「米国雇用主」の定義を満たす
この状況においては、EORがビザスポンサーとして適切であり、依頼社は単にエンドクライアントまたは現場作業の監督者に過ぎません。
シナリオB – 自社がビザスポンサーになりたい場合
以下を行う必要があります:
- 当該従業員を直接雇用すること。
- 自社のFEIN(雇用者識別番号)で給与を管理すること。
- 連邦および州の雇用主としての義務を負うこと。
- 米国移民局が要求する雇用主-従業員関係を確立すること。
- 自社の法人名義でLCA(労働条件申請書)および申請書を提出すること。
つまり、申請雇用主として進める前に、当該従業員をEORから依頼社の直接給与体系に移行させる必要があります。
主な法的原則
米国移民による規則では、給与支払いおよび雇用法上の目的において、ビザスポンサーは実際の米国雇用主であることが求められます。日々の業務指示を行うだけでは法定雇用主とはならず、スポンサーシップとしては十分ではありません。
米国でのビザスポンサーシップは法定雇用主—つまり、実際に賃金を支払い、給与税を源泉徴収している法人によって申請されなければなりません。
戦略的ポイント
実際には、多くの多国籍企業が初期段階(例:リモート採用や市場テスト)においてEORを一時的な解決策として利用し、その後、人材を直接雇用へと移行させて移民プロセスを開始しています。これにより、EORではなく自社がビザスポンサーとして機能することができるようにします。
EORはLビザやEビザのスポンサーになれますか?
L-1ビザのような主要な米国ビザカテゴリーは、ビザを申請する雇用主が「適格組織」であることが求められます。つまり、ビザスポンサーとなれるのは、海外にてビジネスを行なっている会社の米国内の親会社、支店、系列会社、または子会社である場合を指します(正確にはオーナーシップの保有率などを確認する必要があります)。 もし、表現上「雇用主」が単なるEORであり、実際に「適格な関係」を持つ法人でない場合、L-1の要件を満たさないことになります(なぜならEORは別の法人格であり、海外関連会社ではないため)。実際、単にEORというだけでの雇用によるL-1申請は多くが失敗すると警告しています。 特定の雇用主-従業員関係(専門職、社内転勤、条約に基づく地位など)を要求するビザカテゴリーでは、スポンサーが構造や法的関係の要件を満たさない場合、移民当局が申請を却下する可能性があります。
現実的な結論
現地の就労許可制度の下でリモートまたは海外の人材を雇用する場合、EORの利用は通常安全かつ効果的です。特に人材が海外に留まる場合には有効と言えるでしょう。
追加情報源: https://employerrecords.com/can-an-employer-of-record-eor-sponsor-a-work-visa