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2025年11月における最新の米国国務省(DOS)ガイダンスに関する法的分析: INA 212(a)(4)「公共負担」不適格性

最近の報道によると、2025年11月6日頃に発出されたとされる米国国務省(DOS)のケーブルは、INA 212(a)(4)に基づく公共負担不適格の評価基準を拡大する枠組みを示しています。このガイダンスでは、申請者の健康状態、学歴、経済状況などの特定の評価項目が従来よりも重視されており、2025年9月4日に USCIS から発出された指針を超える内容となっています。ビザ審査においてこれらの最新指針を理解し、適切な対応を取ることは、法的・政策的観点から重要です。

背景および基本原則

本ガイダンスは、9 FAM 302.8に定める「総合的判断(totality of the circumstances)」の原則を改めて確認しています。これは、年齢、健康状態、家族状況、資産、資源、学歴・スキルなど、多角的に検討することを意味します。ただし、ケーブルは従来のFAMの指針を超え、特に健康に関する具体的な評価項目や例示を示し、より詳細な判断基準を設けている点が特徴です。

健康状態に対する強化された審査

新ガイダンスの大きな特徴は、健康状態に対する審査の厳格化です。領事官は、医療報告書に基づき、慢性疾患や精神疾患(Class Bの医療状態)を特定し、これらが今後も継続的、かつ多額の医療費用を要する可能性について評価を行う必要があります。特に、これらの疾患が公的資金や長期療養・入院の必要性を示唆している場合には、具体的な医師の意見も求められます。医療報告書に十分な記述がない場合は、医師に追加のコメントを求め、再評価を指示するなどの手続きも導入されています。

特定の医療状態および社会的要因の取り扱い

特に、肥満などの条件についても明記されており、単なる疾病ではなく、将来的な高血圧や糖尿病、呼吸器疾患、精神的な問題など、将来的に財政負担となるリスクを伴う可能性があると指摘しています。これにより、健康関連の基準は拡大され、医療費の負担見込みに基づいて拒否の判断に影響を及ぼす可能性があります。

また、健康状況だけでなく、学歴や就労状況についても重視され、英語能力の不足や低技能職での雇用履歴は、経済的な不安定さの兆候とみなされやすくなっています。さらに、米国外で受けた公的資金援助についても、多角的に評価され、以前のガイダンスよりも厳しい視点が示されています。

財政的・支援書類への影響

支援証明書(AOS)の審査も重要視されており、これを唯一の判断基準としないことが強調されています。むしろ、他の否定的要素も総合的に米国側が評価し、「総合的判断」の枠組みを逆転させる形で、すべての潜在的リスク要因を検討する必要があるとされます。

非移民および移民問わず適用範囲

FAMに沿った内容として、このガイダンスは、INA 212(a)(4)が移民ビザだけでなく非移民ビザ対象にも適用されることを再確認しています。特に、H-1BやLビザなど、214(b)の拒絶理由を適用しないカテゴリーにおいても、別途適用され得ることを示しています。

法的制約と例外

クライアントは、居住資格の調整(Adjustment of Status)と異なり、移民ビザ申請においてINA 212(a)(4)の免除制度は適用されないことに留意すべきです。ただし、難民、庇護申請者(Asylees)、VAWA申請者などの人道的カテゴリーに関しては、異なる標準や保護措置が適用される場合があります。稀に、特定の状況下で保証金の預託(ボンド)を行うことが可能となるケースもありますが、これらは限定的です。

結論

2025年11月のDOSガイダンスは、公共負担不適格性の評価において、より包括的かつ厳格な基準が導入されたことを示しています。弁護士やコンサルタントは、この拡張された枠組みの影響について慎重にクライアントへ助言し、健康、経済、教育に関する要素に重点を置いて、十分な支援書類の準備を行う必要があります。これらの手続きの微妙なニュアンスに対する理解は、効果的な案件戦略の立案および法令遵守のために不可欠です。

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