
再入国許可証が必要になる状況
米国移民法では「移民として米国に入国した人は米国に永住する」ということを前提としており、米国外に継続して12ヶ月以上滞在した場合、米国永住者としての資格を失う可能性があります。また、継続してアメリカを12ヶ月以上離れていない場合でも、例えば年に1度、アメリカに1週間程度滞在するような場合、継続性はなくとも生活拠点がアメリカにないと判断される可能性があります。この場合でも、米国永住者としての資格を失うリスクがある点にご注意ください。
何かしらの事情で、一時的に米国を長期に離れる場合や生活拠点がアメリカ国外となる場合など、その間に永住権を維持したい場合は、移民局申請を通して再入国許可証の取得が可能となります。申請が認可されると通常2年間有効な許可証が発行されます。更新回数に制限はありませんが、永久的に更新できるものではありません。
申請には正当な理由も求められ、3回目以降等の申請では1年間有効な許可証しか発行されない場合もあります。
申請から取得までの流れ
1.Form I-131 申請(米国内)
- 郵送による申請(申請時点でアメリカに居る必要あり)
- 申請書類は、永住権のコピー(表面と裏面)とフォームI-131を申請費用とともに提出します。また、その他補足資料として、アメリカとの強いつながりを示す書類、タックスリターン、供述書、日本など長期にアメリカを離れる理由となる資料を提出することもあります。
- 長期にアメリカを離れる理由例は、アメリカ国外での就労、親の介護、就学など様々です。
- 申請時点ではアメリカ(グアムも可)に滞在していることが条件です。ただし、再入国許可証の申請が許可される前に米国を離れても、申請には基本的には影響ありません。
- アメリカ永住権保持者として、世界中の収入に対してIRSへの税金申告を行っていることも重要となります。
2.Biometric Appointment(米国内にて指紋採取)
- 申請後は、申請上の住所の最寄りの移民局センター(米国内)にて指紋の採取が求められます(コロナ以降、指紋採取が免除されるケースもあり)。
- 申請後から指紋採取日までの間も引き続きのアメリカ滞在が望ましいですが、指紋採取の前後にアメリカを離れていても許可を得ることは可能です。
- 申請から取得までに1年以上かかることもあります。
再入国許可証(Re-Entry Permit)の相談事例
Q:Re-entry Permitを申請しましたが、審査期間に1年以上かかるとのことです。その審査期間中、アメリカ永住権保持者としてアメリカへ入国できるのでしょうか?
A:可能です。ただ、安全を見て入国の際、Re-entry Permitを申請していることを示す移民局発行の受領書を持参しておくと良いでしょう。またRe-entry Permit申請書のコピーも一式持参しておけば、アメリカ永住権保持者としてアメリカ入国の際にアメリカとの繋がりを示すよう言われた場合など、そちらを見せることができるでしょう。
Q:Re-entry Permitの申請ですが、認可されれば2年有効と聞きました。これは可能な限り2年毎の申請を繰り返し行うことで、日本で生活しながらアメリカ永住権を維持できるのでしょうか?
A:Re-entry Permitの申請は一般に最初と2回目の申請については認可されると2年の有効期限が与えられることが多いですが、3回目以降の申請では、2年の有効期限が与えられることは稀で、認可されても一般には1年しか有効期間は与えられません。繰り返しの場合、アメリカとの繋がりを見せることはもちろんのこと、正当な申請理由も重要となるので、必ずの認可を保証するものではありません。
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