アメリカ永住権を持っている方の中には日本などアメリカ国外に出国したまま1年以上など長期間アメリカに戻っていない方がいらっしゃり、次の渡米で、無事に問題なくアメリカに永住権保持者として入国できるか心配されている方がいらっしゃいます。コロナパンデミック期間中や直後などは、1年を超えていても問題なくアメリカへ入国できていた事例もありましたが、今後はその限りではないでしょう。引き続きアメリカ国外に滞在し続ける必要がある場合は、アメリカ入国後にリエントリーパーミットを申請することを前提に入国を試みることが一つの方法でしょう。
もちろん、アメリカを離れていた期間の長さや理由にもよる上、入国を認めてくれるかは入国審査官の裁量次第ですので、アメリカ永住権保持者としての入国が認められないリスクは伴うと言ってもいいでしょう。最後のアメリカ出国から1年数ヶ月程度で問題なく入国でいたケースは弊社でもありますが、実際に入国を試みる場合は、事前に専門家に相談することをお勧めします。アメリカ入国前にリエントリーパーミット申請書類を用意したり、入国審査官に示すポケットレターを用意したりと対策を考慮することもございます。
その他、永住権の喪失を望まない、また入国について上記リスクを回避したい場合、条件が整えば、帰国居住者特別移民ビザを申請するという方法があります。例えば、日本滞在が1年を超えている、リエントリーパーミットを持っているものの期限の2年を超えてしまっている場合など、帰国居住者ビザ(SB-1)を申請できる資格があるかもしれません。
申請は東京などアメリカ大使館にて行います。一般に永住権申請(家族ベース、雇用ベース)は大きく2つのステップに分かれているのですが、その第一ステップにおいてアメリカ出国時点でアメリカ永住権保持者であった、アメリカ出国時はアメリカに戻る意思があり現在でもその意思を持ち続けている、アメリカを長期離れていた理由は本人の責任ではなく不可抗力が理由であった、など証明する必要があり、その第一ステップが認められれば、他の通常の新規家族・雇用ベースの永住権申請と同様の第2ステップ申請(面接)へと進むことができます。
ただ、SB-1認可の難易度は決して高くなく、上記条件の立証は難しいのが一般的と言えるかもしれません。
以上、まずはご自身の状況を理解することが重要です。ご自身の将来設計も含め、詳しくは移民弁護士など専門家に相談されることをお勧めします。