
J-1ビザ(交換研修者ビザ)
J-1ビザとは国務省が承認しているプログラムに基づいて発行されるビザで、様々な用途で使用され、主なものの一つに、トレーニングビザの一つとしてOJT(On The Job Training)を基にしたトレーニングも可能となります(ここでは研修に焦点を当てて紹介します)。
申請には受け入れ企業に加え、トレーニングプログラムを実施している米国のスポンサーが必要となり、申請はまず国務省から認定を受けたトレーニングプログラムを持つJ-1スポンサー機関(米国には複数存在する)に対して行い、認可されればDS-2019用紙が入手できます。
この用紙をその他の申請書類と合わせて在日米国大使館・領事館に持参し、面接を受けることになります。J-1プログラム(トレイニー向け)の有効期間は最長18ヶ月(インターン生向けやホスピタリティー業界は一般に12ヶ月)で、DS-2019用紙を取得するには申請者及び雇用主はその特別プログラムの基準を満たさなければなりません。
J-1プログラムの目的と条件
J-1プログラムは、例えばマネージメント、ビジネス、エンジニア等の分野である場合が多く、申請者はなぜトレーニングが必要なのかについての説明の準備が必要で、実際にトレーニングを実施する企業はそのトレーニング内容についての細かい情報も準備する必要があります。
また申請者はトレーニングが終了した時点での計画、自国へ戻る意思の説明等も必要となります。
一部のJ-1ビザのプログラムには、212(E)という法律でプログラム終了後、母国に帰って2年間は居住しなければならない事が定められるものもあります。
なお、多くのJ-1トレーニングが、実際にはトレーニングを実施する会社の一従業員としての実質的な就労となっているという事実が発覚したケースが過去にもあり、最近では H-1Bビザの代用として、また他の非移民ビザ取得までの繋ぎとして使用されるなど、その乱用も散見されました。
これらを背景として、J-1トレーニングプログラムがより正当に実施されるよう、J-1規則には、交換訪問者トレーニングやインターンプログラムが就労を目的とした雇用の代用となってはいけないとはっきり記載されています。また、トレーニング参加者がトレーニングプログラムを通してアメリカの技術、方法論、専門性に触れ、それを基に現在持っている知識や技能を更に向上させるものでなければならないとも記載されています。
申請者の要件と審査
一方、トレーニング参加者・インターン生は、トレーニングに関する日々の業務に必要とされている充分な英語力があることの立証も必要となります。
この充分な英語力の立証確認は、公認の英語テストや語学学校などからの署名入りの手紙、スポンサー機関等による対面式の面接、ビデオ会議、またはインターネットカメラを通した面接の実施を通して可能となります。
一方、J-1申請書を受け付ける米国のスポンサー機関は、そこが提供しているトレーニングプログラムではなく、トレーニングプログラムを実施する会社がそこ独自のトレーニングを実施する場合、例えば、仮にその会社の従業員が25人未満である、または年間売り上げが$300万ドル未満である場合(条件はスポンサー会社により異なる場合があります)など、Site Visitとして直接訪問によりトレーニングの実施内容の確認を行う場合もあります。
なお、家族はJ-2ビザ取得が可能です。
H-3ビザ (職業トレーニングビザ)
H-3ビザ取得は、最終的な目標が技能習得であり、そのトレーニング自体が雇用主に対して生産的な雇用となってはなりません。
つまり、目的はあくまでも授業スタイルを基本としたトレーニングで、会社に利益をもたらすような実質的な雇用となってはならないことになります。
H-3ビザには必要な申請条件がいくつかあり、例えば最高2年という有効期間で、自国では得る事が出来ないトレーニングであること、ビザ取得者個人のトレーニングにより会社のアメリカ人労働者のポジションが損なわれないこと、トレーニング後は自国へ戻る意思があり、トレーニングにより習得できる技能が自国で有効に活用できること等、様々な条件があげられます。
H-3トレーニング・プログラムの目的
H-3トレーニング・プログラムはあくまでも訓練が目的のもので、外国人に生産的な雇用を供給するものではありません。また、アメリカ国内の労働者を解雇し、H-3ビザ適用者をその代わりに雇用するということは出来ません。
ただしトレーニング・プログラムに付帯的であり、必要な場合のみ、H-3ビザ訓練生は生産的な雇用に従事することが可能となる場合はあります。
つまりこのいわゆるOJT(On The Job Training)はあくまでも付帯的なものであり、それが主目的となってはいけません。
また、F-1(学生)ビザからH-3ビザへの変更は可能ですが、プラクティカル・トレーニング(OPT)等の滞在期限を延長する目的では基本的には利用はできません。
もしOPT後にH-3取得を望む場合、それらの訓練内容が異なることを明確にしなければなりません。
申請資格として、大学卒、短大卒、高校卒といった学歴や、一定期間以上の職歴が必要というような決まった条件はありません。
なお、家族はH-4ビザ取得が可能です。
申請プロセス
申請は、まず米国移民局に対して申請書を提出することになります。
ただ、H-3ビザ保持者として日本から米国へ入国するには、米国移民局から認可を得た後、その認可を基に在日米国大使館・領事館にて面接を受け、ビザ査証を取得する必要があります。
つまり日本から申請する場合は、2ステップの申請審査プロセスを踏むことになります。
J-1/H-3ビザに関する相談事例
過去にJ-1を取得したことがあります。2回目のJ-1を申請することは可能でしょうか?
1年間のTraineeとしてのJ-1トレーニングが終わろうとしています。延長申請は可能ですか?
J-1とH-3のトレーニングではどのような違いがありますか?H-3の方が取得しやすいですか?
J-1の取得には英語力が必要と聞きましたが、H-3取得のためには一定の英語力が必要ですか?
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