アメリカの移民法は確実に重要な変更がなされ、大統領選挙当選を果たしたドナルド・トランプ政権の重要な課題となるでしょう。技能を持った移民に対する反復的なサポートがいくつかなされてきましたが、これまでのトランプ氏のほとんどの発言を見ると、アメリカへの外国籍者入国の際の審査の増加、外国人労働者の認可の抑制、外国人労働者に対する雇用者の義務の増加に関するものがほとんどでした。
トランプ氏のウェブサイトでは、アメリカにおけるメリット、技術そして成功の可能性に基づいて移民を選択することを支援しています。しかしながら、アメリカ人労働者の雇用を優先する移民規制を求めてきました。彼は、H-1Bプログラムの改革を提唱してきましたが、いまだ具体的な提案はしていません。トランプ氏は、アメリカと協定国間における、移民の合理化を図る条項が含まれる主要な協定の再交渉や撤回を求めるとも述べてきました。
またトランプ氏は雇用ベースの非移民ビザと永住権の申請を含む、ビザやグリーンカードの申請の審査を強化し、より優れた管理を奨励するとしています。また、適切な審査が保証されない国では、ビザ発給を一時的に停止することについても明確に支持しています。ただし、移民法のほとんどの変更には議会の承認が必要であり、数年とは言わなくとも、実施までには数ヶ月は要すという点も重要です。
またトランプ氏が、非公式の人口に対して大きなメスを入れると約束していることも懸念されます。彼は200万から300万人の人を国外追放すると約束しています。そのようなことをしようとすれば、私たちの都市には機関銃が必要となるでしょう。またそのようなことになれば大都市の支援が必要となるでしょうし、その前にカリフォルニアやニューヨークのような州で止められるかもしれません。我々はこれらの大都市の市長たちがそれぞれの地域社会への攻撃に抵抗すべく、最善を尽くすことを願っています。いずれにしてもトランプ政権には、このような業務の遂行には数年はかかると思われます。
そうなると、現在合法的にアメリカに滞在する移民をターゲットにする方が簡単と言えます。移民へ影響を及ぼす重要なポジション、司法長官、国務長官、アメリカ移民局(USCIS)長官、米国移民・関税執行局(ICE)長官、入国管理局(CBP)長官、といったポジションが、反移民派イデオロギーや完全な人種差別派の人で占められたりすることも考えられます。さもなければ移民自体、もしくはアメリカに合法的に存在する人たちへの広く甚大な打撃が最も簡単な方法だと考えられます。共和党は、単に都市の移民コミュニティや雇用者を必要としないといった決定をするかもしれません。
我々のわずかな望みは、次期大統領となるトランプ氏自身、ビジネスマンであり、技術の有無にかかわらず多くの移民、非移民を雇用してきました実績があります。そして彼の妻自身が元H-1B保持者であり移民であるということです。彼が積極的に合法移民をについて検討し、高度な技術を持った労働者やアメリカに投資しようとする企業に対して実際に利益をもたらすような変化を提案することが私たちの願いです。