月別アーカイブ: 2016年6月

2016年6月のビザブルテンについて

アメリカ国務省は20166月のビザブルテンを公表し、非移民ビザを持つインド人及び中国対すEB-2(修士学位以上もしくは特に優秀な能力を有する者)EB-3(技術職、専門職またその他の労働者)カテゴリーでの永住権申請におけるカットオフデートの主要な遅れについて述べています。

アメリカ移民局はインド人に対するEB-2カテゴリーでの永住権申請に対し、5発表時点から更にバックデートし、2004101以前のプライオリティデートを持つ方に対して永住権最終段階申請書(AOS申請)を受け付けるとしています。

中国に対するEB-2では、カットオフデートが201011となっています

EB-3のインド人カテゴリーについては、2004922日以前のプライオリティデートを持つ方の申請を受け付けるとしています。中国については201011日に変更となっております

ここで注意が必要なのは、外国人による雇用ベースによる永住権申請の場合、アメリカ移民局は最終段階においてビザブルテンに表示されるカットオフデートに対し、自身のプライオリティデートの日付が到達次第、申請が可能になるということです。つまり、自身の順番が来るまでは、最終段階の申請まで順番待ちの状況となるわけです。

上記に関するご質問等がございましたら、お気軽に弊所までお問い合わせくさい。

USCIS申請料に関する新提案

2016年5月4日、国土安全保障省(DHS)は、特定の米国移民局(USCIS)申請料の値上げ提案を発表しました。申請料の増価額は概ね8〜60パーセントの範囲です。しかし、EB-5グリーンカードプロセスに関連する申請料は145から186パーセントまでの範囲の増加となっており、最も顕著な増額案となっています。提案された増加の理由は、USCISが提供するサービスの総費用を補うためです。 最後にUSCISが申請料を増額したのは2010年11月23日でした。

以下は、提案された申請料金の一覧です。プレミアムプロセシング申請料($1,225)の増額は 予定されていません。申請料金が確定された際には弊所ウェブサイトにてお知らせされる予定です。

Form

現在の料金

提案額

増額率

Form1-129 Petition for Nonimmigrant Worker

$325

$460

42%

Form1-140 Petition for Alien Worker

$580

$700

21%

Form1-485 Application to AdjustStatus Includes the cost of concurrently filed Forms I-765 and 1-131

$985

$1,140

16%

Form1-765 Application for Employment Authorization

$380

$410

8%

Form1-131Application for Travel Document

$360

$575

60%

Form1-539 Application to Extend/Change Nonimmigrant Status

$290

$370

28%

Form1-90 Application to Replace Permanent Resident card

$365

$455

25%

Form N-400 Application for Naturalization – Standard Applications

$595

$640

8%

Form N-400 Application for Naturalization –Applications filed by those who meet certain requirements with respect to military service and for those with  approved fee waivers

$595

$0

N/A

Form N-400 Application for Naturalization-Applications filed by those whose family income is greater than 150% and not more than 200%of the Federal Poverty Guidelines

$595

$320

N/A

Form I-526 Immigrant Petition by Alien Entrepreneur

$1,500

$3,675

145%

Form I-924 Application for Regional Center Designation under the EB-5 Immigrant Investor Program

$6,230

$17,795

186%

Form I-924 Annual Certification of EB-5 Regional Center

$0

$3,035

N/A

Biometrics Fee

$85

$85

0%

上記一覧表が示すように、DHSが提案する新料金で重要なのはApplication for Regional Center under the Immigrant Investor Pilot Program 申請フォームI-924の補足フォーム であるI-924Aの申請料金です。このフォームは、雇用に基づく移民ビザ、第五優先(EB-5)カテゴリに使用されます。現在は申請料金 が不要な申請書ですが、新たな提案料は$ 3,035となります。さらに、これに伴い移民局は現在のフォーム名I-924Aから「Annual Certification of Regional Center」への変更も提案しています。

DHSによるもう一つの重要な提案は、フォームN-400「Application for Naturalization」、つまり米国市民権の申請における3段階のレベルの料金体系についてです。提案された3つのレベルは以下のとおりです:

第1レベル:申請費用を$ 595.00から$ 640.00へ 増額。

第2レベル:米軍に所属する申請者と 手数料免除の承認を受けた申請者への申請料金を請求しないことの継続。

第3レベル:収入がFederal Poverty Guidelines の条件を150%以上満たし、また200%以下の申請者の申請料を$ 320に減額。

最後に、 不渡小切手や生体手数料の未払いがあった場合、修正の機会を与えることなく申請受付を拒否することを禁止するルールを取りやめることもUSCISは提案しています。

2016年7月5日もしくはそれ以前にこれらの変更案に関し、我々は意見を提出することができます。この方法については以下の政府のリンクをご参照ください:

https://www.uscis.gov/news/alerts/federal-register-comment-period-proposed-uscis-fee-schedule

STEM卒業生のためのOPT24ヶ月延長に関する新ルールについて

米国の大学で STEM(Science:科学, Technology:技術, Engineering:工学, and Mathematics:数学)科目学士、修士、または博士を取得し、現在12ヶ月のオプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)が終了間近の留学生について、更に OPTの期間を24ヶ月延長できることになりました

 2016510日より、国土安全保障省(DHS)は、既存のSTEM OPT17ヶ月延長ルールの代わりとなるSTEM OPT24ヶ月延長ルールを新たに開始しました。

 この新しいSTEM OPT延長を利用するには、学生は雇用主と共同で正式な研修計画書(Form I-983)を作成し留学生の学校指定の職員(DSO)の承認を得る必要があります。また、この研修計画書は学生とDSOにより6ヶ月毎の見直しを行う必要があります。

 研修計画書には雇用主による 認証が必要となる重要事項がいくつも含まれています。具体的には、 正社員、パートタイム、一時的、永久的雇用である事に関わらず、STEM OPTの学生が米国のそれら労働者の業務取って代わり行わない事、またSTEM OPTの学生と同様の職務環境にある米国の労働者と同等の給与がSTEM OPTの学生に支払われる事を承認する必要があります。雇用主は学生へ少なくとも20時間の業務を与えなければならず、また学生が無給で就労する事は出来ません。最後に、雇用者が研修計画書を遵守しているか確認するために行われる、国土安全保障省による現地訪問に同意する必要があります。

研修計画書を作成し、必要な認証を行うことに同意するほか、雇用主はSTEM OPTの学生を雇うために必要となるE-Verifyに登録する必要があります。

STEM OPTの学生が24ヶ月延長に申請できる期間は、現在のOPTが残り120日以下になった時点から、EADの有効期限までの間です。現在のEADの有効期限終了までに この延長申請書が米国移民局にて正式に受理されると、学生はEAD有効期限以降の更に180日まで、もしくは申請審査結果がでるまでの期間、米国への滞在および雇用継続が移民局より認められています

 すでに現在STEM OPT17ヶ月延長で就労している学生については、 新しい規則が開始された2016年5月10日の時点で残りの就労許可期間が150日以上ある学生には追加で7ヶ月の延長申請を行うことができます。その場合、 2016年8月8日までにDSOへ研修計画書を提出し、延長推薦を受け、その推薦日より60日以内に7ヶ月延長申請を行う必要があります。 

 STEM OPT17ヶ月延長申請が現在審査中の学生においては、学生の大学のDOSが24ヶ月延長を推薦ししたことを証明する、承認済みのI-20を追加書類とし提出することを求める質問書が移民局より発行されます。

 この新規則についてのご質問やご相談は弊所までお問い合わせください。

 STEM OPT延長ルールの詳細についてはこちらをご覧ください。

https://www.federalregister.gov/articles/2016/03/11/2016-04828/improving-and-expanding-training-opportunities-for-f-1-nonimmigrant-students-with-stem-degrees-and#h-87