移民局を始め、政府のビザの申請審査は年々厳しくなっている現状はこれまでも繰り返しお伝えの通りですが、2017年10月23日に国土安全保障省より発表されたPolicy Guidanceによると、今後、ビザの延長申請においても審査が更に厳しくなることを示すものとなりました。
このPolicy Guidanceは審査官など移民局職員全員への通達で、非移民ビザの延長申請の審査も最初のビザの審査と同レベルでの審査を行うよう通達しているものです。こちら、日本人の多くも保持するL-1やH-1B等も含むほぼ全ての非移民ビザが対象となっております。
トランプ新政権の掲げる移民法改革のもと、移民局職員はその最前線に立っており、移民局ディレクターのFrancis Cissna氏も今回の通達はアメリカ市民の労働局を守ることにつながる方向性を明確にしているものだという見解を示しています。
今回の発表を受け、移民局審査官は、延長申請書を入念に審査することを指示されており、仮に延長申請の内容において、職務内容などの雇用条件につき最初の申請書の内容から変更がない場合においても最初の申請審査と同様のレベルでの審査が必要で、最終結果は同じになるにしても、補足資料も含めて、提出された全ての申請書類の入念な確認審査が必要となったというわけです。
つい最近まで適用されていた移民局ポリシーでは、延長申請書を審査する審査官は、最初の申請書に明らかな間違いや詐欺等がない場合は別として、鍵となる内容に変更がない限りは、最初の申請書を認可した審査官の審査結果を尊重すべきとなっていました。
このことから、延長申請も安心できない状況となり、今後は、質問状発行の多発、また審査の更なる長期化、更には却下の可能性も増えることが予想されます。
また移民局申請に限らず、Eビザなどアメリカ大使館での申請もトランプ新政権の掲げるアメリカ人労働を守ることを伺わせる審査結果も見かけるようになりました。
今後は、延長申請も含め、政府に対するビザ申請は、その申請のタイミングに合わせ、より戦略的で、かつ時間に余裕を持っての申請書作りが求められ、更には最悪の事態に備え、会社もビザの結果に対して柔軟に対応出来る人事体制をとっておくことが重要となることでしょう。