月別アーカイブ: 2020年8月

米国、カナダ、メキシコ間での渡航制限の延長について

米国土安全保障省 (Department of Homeland Security:通称DHS) は、米国とカナダ・メキシコ間の一時的な渡航制限を、2020年6月22日からさらに30日間延長したと発表しました。
新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、米国土安全保障省は以下の対象者にのみ渡航を許可しました。

  • 米国に帰国する必要があるアメリカ国籍の者、又はアメリカ永住権保持者

  • 医療、緊急、または公衆衛生の目的で渡航する者
  • 教育目的で渡航する学生

  • 合法な国境を越える貿易に携わる者(例:物流を支えるトラックの運転手など)
  • 軍事的な活動に携わる者、政府役人、又は外交官として渡航する者、米国兵士とその家族

尚、必要不可欠な労働目的で米国へ入国する者(例:米国とカナダ・メキシコ間の移動が必要となる農耕、又は農業目的で渡航する者)も渡航の許可が認められました。

尚、渡航許可の対象とならない 例としては、観光、レクリエーション、ギャンブル、又は文化的イベントへの参加が挙げられました。

ただし、上記の渡航制限は、国境を超えた入国地点、又はフェリーでの米国入国を図る旅行者のみが対象となっており、空路、貨物鉄道、または海路(フェリー以外の手段)での国境越えを図る者には適応しません。

最後に、米国土安全保障省は、今後、これらの渡航制限を改正する可能性があると発表しました。

弊社では、引き続き、皆様にこの問題に関する最新情報を、随時報告できればと考えております。

米国国務省、入国禁止令の一部免除規定を発表

米国国務省(U.S. Department of State:通称DOS)は、2020年7月16日にトランプ政権が発行した移民及び非移民ビザ保持者の米国への入国制限に対する免除規定について2つの声明を発表しました。

EUシェンゲン圏、英国(UK)、アイルランドからの旅行者の入国禁止について



トランプ政権は、2020年3月にEUシェンゲン圏、英国(UK)、アイルランドからの旅行者が米国へ入国することを禁止しました。本声明は、トランプ大統領からさらに通知があるまで有効となりますが、米国国務省によると、以下の対象者は、米国入国前の直近14日間にEUシェンゲン圏、英国(UK)、アイルランドのいずれかの国に滞在した者でも米国に入国することが許可されるということです:

  • ビジネス出張目的で渡米する有効なESTA保持者。
  • F, M あるいはJステイタスを持つ学生。ただし、J-1ビザの学生は、渡米前に国益目的のための免除(ウェーバー)の認可が求められています。
  • E-1/E-2ビザ(条約貿易者、又は投資家)の保持者。

移民ビザ保持者における入国禁止について


米国国務省は、トランプ政権によって2020年4月に発行された移民ビザ保持者の入国禁止に関する声明の免除規定を発表しました。以下の対象者は米国の入国が許可されているということです:

  • 扶養家族の子供移民ビザに対する申請について対象となる21歳未満の子供が、年齢による移民ビザ取得資格を2021年1月14日(移民ビザ声明の有効期限切れから二週間後)までに失効するおそれがある者。

また、米国国務省によると、抽選永住権の当選者でも、2020年4月23日までに米国永住権を取得しなかった者は、免除資格の対象でない限り、米国入国禁止の対象になると発表しているということです。

非移民ビザ保持者における入国禁止について

最後に、米国国務省は、2020年6月に発行された非移民ビザ保持者に対する米国入国制限の一部免除規定を発表しました。以下の対象者は米国の入国が許可されているということです:

  • H、 J、又はLビザ保持者の扶養家族である配偶者と子供で、非移民ビザ保持者における入国禁止声明に該当しない者。仮に、主たる非移民ビザ保持者が2020年6月24日時点で米国に滞在していた、あるいは、有効なH、L、又は条件付きのJビザを保持していたことにより本規制の対象外となる場合、その配偶者と子供も本規制の免除の対象となります。尚、主たる非移民ビザ保持者が大統領によるビザ取得制限の対象外となる場合も同様で、その配偶者と子供は本規制の対象外となります。尚、米国国務省は、引き続き、本規制の対象外となる配偶者(自身のビザステイタス等の状況で免除条件を満たす者、あるいは主たる非移民ビザ保持者が米国内に滞在していた場合など)にH、L、又はJビザの発行を実施する予定であるということです。
  • HとJビザの申請者で米国の外交政策目標に対する貢献が見込まれる(例:新型コロナウィルスの対処目的)者、又は米国政府の要請によって渡米する者。尚、Lビザの保持者も本規制の一部免除の対象であるかについては、現時点では明らかにされていません。

その他の事項

米国国務省は、アメリカの国益に関連する理由で入国する場合や米国の食品流通に不可欠なサービス業務を実施する目的で入国する場合を含む本規定の入国禁止声明におけるいくつかの重要な免除規定の判断基準についてはまだ発表していません。
弊社としては、引き続き、これからも皆様にこの問題に関する最新情報を随時報告できればと考えております。

2020年8月のビザブルテンの発行について

国務省 (The Department of State: 通称 DOS) は、下記の通り、2020年8月のビザブルテンを発行しました。注目すべき点は、EB-1、EB-2EB-3の全てのプライオリティーデートが着実に進歩していることです。

ビザブルテン

EB-1全国籍:プライオリティーデートは現在時点有効。但し、以下国籍を除く。

  • 中国: プライオリティーデートが2018年2月8日( 171日前進。)
  • インド:プライオリティーデートが2018年2月8日( 277日前進。)

EB-2全国籍:プライオリティーデートは現在時点有効。但し、以下国籍を除く。

  • 中国: プライオリティーデートが2016年1月15日( 69日前進。)
  • インド:プライオリティーデートが2009年7月8日(進歩無し。)

EB-3全国籍:

  • 中国: プライオリティーデートが2017年2月15日(239日前進。)
  • インド:プライオリティーデートが2009年10月1日(123日前進。)
  • エルサルバドール、グアタマラ、ホンデュラス、メキシコ、フィリピン、ベトナム、その他の地域:プライオリティーデートが2019年4月1日(352日前進。)

米国移民局によるステイタス変更のための日付:

米国移民局は、当会計年度において把握している申請数(各カテゴリーごとの永住権申請数)よりも多くの移民ビザ発行残数があると判断した場合、こちら www.uscis.gov/visabulletininfoのページ内にて、国務省の2020年8月のビザブルテンにあるDates for Filing Visa Applicationsの表を利用するよう指示しています。そのような指示が出ていない状況では、同ページ内にあるApplication Final Action Datesの表を利用することで米国内にていつステイタス変更の申請が提出出来るかが判定できるということです。 現時点のこの発表の限りでは、2020年8月にどちらの表を使用すべきかの決定は下されていません。上記の日付は、Application Final Action Datesです。

チャーリーオッペンハイム氏の見解:

アメリカ国務省ビザ統制報告部部長で、移民の優先カテゴリーの分析及び予測を担当するチャーリーオッペンハイム氏によると、2020年8月の分析及び予測記録はまだ発表されていないということです。弊社では、このチャーリーオッペンハイム氏による情報等が公開され次第、随時お知らせするように致します。

*本記事は7月時点に発表された内容で、この記事が皆様に読まれている頃には異なる状況となっている可能性もございますこと、ご了承ください。

*弊社の コンサルテーション(有料)をご希望であれば、こちらをクリックして下さい。

米国移民局、2020年10月2日施行予定の新申請費用を発表

米国土安全保障省 (Department of Homeland Security:通称DHS) は、2020年7月31日に永住権、及び米国市民権等のビザ発行に伴う申請費用の変更を正式に決定したことを発表しました。尚、施行日は2020年10月2日からとされており、同日、又はその日付以降に提出される申請書においては下記の通り変更された申請費用を支払う対象になります。尚、主に弊社で取り扱っているビザの申請費用の変更は以下の通りです:

I-129フォームによる非移民ビザ申請費用:

これまで均一料金であったI-129フォームによる非移民ビザ申請費用($460)は次のように変更されます:

  • L-1ビザ: $805
  • H-1Bビザ: $555
  • E-1/E-2/TNビザ: $695
  • Oビザ: $705

I-539フォームによる申請費用:

$400

I-131フォームによる申請費用:

$590

I-765フォームによる申請費用 (DACA: Deferred Action for Childhood Arrivals 対象者を除く):

$550

I-140フォームによる移民ビザ申請費用:

$555

DACA対象者以外の指紋採取費用:

$30

I-485フォームによる申請費用:

$1,130

米国移民局移民申請費用:

$190

N-400フォームによる米国市民権申請費用:

$1,170

尚、全ての変更された申請費用を含むリストはこちらをご参照下さい。