1952年に制定された移民国籍法とその改正によると、国務長官は如何なる時でもビザを撤回し、取り消すことのできる権利を保持しています。また国務省(通称 DOS:The State Department)は、飲酒運転及び麻薬の影響下での運転(通称 DUI: Driving Under Influence)においても、その有罪判決の有無に関わらずビザの取り消しを行使しております。なお、国務省はDUIを犯した米国滞在の非移民ビザ保持者のビザ(査証)も取り消す権利も保持しています。
非移民ビザの取り消しの過程について
違反の度合いにより国務省の異なる2つの部署において非移民ビザの取り消し処理が行使されます。
(I) DUIに関しては、アメリカ大使館、領事館が非移民ビザ保持者のビザ査証の失効手続きを行います。
(II) DUI以外については、国務省の本社にある査証審査署(Visa Office of Screening, Analysis and Coordination)が非移民ビザ保持者のビザの失効手続きを行います。
なお、国務省による非移民ビザの失効が正式に有効になるのは、通常は、アメリカ滞在者に対しては、処罰を受けた非移民ビザ保持者が米国を出た後になります。
非移民ビザ失効による影響とは
多くの場合、国務省はビザの失効状を”送付可能な場合”においてのみ発行します。しかし、非移民ビザ失効状を受け取らなくてもビザの失効は有効になります。DUIケースにおいては、通常、アメリカ大使館、領事館がDS‐160フォーム(オンラインのビザ申請書)に記載されているEメールアドレスにビザ失効状を送るため、DS‐160フォーム上の情報が最新かつ有効であり続けていることが大変重要です(場合によっては米国領事館が直接該当者に電話することもあります)。なお、ビザ失効状をEメールで受け取った場合は、失効状の確認のため、関係するアメリカ大使館、領事館に直接問い合わせることも可能です。
ただ注意すべきことは、ビザの失効は処罰を受けた後の最初のアメリカ出国後が絶対ではないということです。ケースによっては、国務省による非移民ビザ失効により、アメリカ国内にて移民局に対して行う就労ビザの雇用者変更申請や延長申請が却下されたケースもあります。更に、場合によっては、非移民ビザの失効により、国外退去の処分を受けたケースもあります。なお、現在、国務省と国土安全保障省(移民局)はこのような例外的なケースを無くし、米国出国後のみビザの失効が有効になるよう、その制限について議論しています。