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STEM卒業生のためのOPT24ヶ月延長に関する新ルールについて

米国の大学で STEM(Science:科学, Technology:技術, Engineering:工学, and Mathematics:数学)科目学士、修士、または博士を取得し、現在12ヶ月のオプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)が終了間近の留学生について、更に OPTの期間を24ヶ月延長できることになりました

 2016510日より、国土安全保障省(DHS)は、既存のSTEM OPT17ヶ月延長ルールの代わりとなるSTEM OPT24ヶ月延長ルールを新たに開始しました。

 この新しいSTEM OPT延長を利用するには、学生は雇用主と共同で正式な研修計画書(Form I-983)を作成し留学生の学校指定の職員(DSO)の承認を得る必要があります。また、この研修計画書は学生とDSOにより6ヶ月毎の見直しを行う必要があります。

 研修計画書には雇用主による 認証が必要となる重要事項がいくつも含まれています。具体的には、 正社員、パートタイム、一時的、永久的雇用である事に関わらず、STEM OPTの学生が米国のそれら労働者の業務取って代わり行わない事、またSTEM OPTの学生と同様の職務環境にある米国の労働者と同等の給与がSTEM OPTの学生に支払われる事を承認する必要があります。雇用主は学生へ少なくとも20時間の業務を与えなければならず、また学生が無給で就労する事は出来ません。最後に、雇用者が研修計画書を遵守しているか確認するために行われる、国土安全保障省による現地訪問に同意する必要があります。

研修計画書を作成し、必要な認証を行うことに同意するほか、雇用主はSTEM OPTの学生を雇うために必要となるE-Verifyに登録する必要があります。

STEM OPTの学生が24ヶ月延長に申請できる期間は、現在のOPTが残り120日以下になった時点から、EADの有効期限までの間です。現在のEADの有効期限終了までに この延長申請書が米国移民局にて正式に受理されると、学生はEAD有効期限以降の更に180日まで、もしくは申請審査結果がでるまでの期間、米国への滞在および雇用継続が移民局より認められています

 すでに現在STEM OPT17ヶ月延長で就労している学生については、 新しい規則が開始された2016年5月10日の時点で残りの就労許可期間が150日以上ある学生には追加で7ヶ月の延長申請を行うことができます。その場合、 2016年8月8日までにDSOへ研修計画書を提出し、延長推薦を受け、その推薦日より60日以内に7ヶ月延長申請を行う必要があります。 

 STEM OPT17ヶ月延長申請が現在審査中の学生においては、学生の大学のDOSが24ヶ月延長を推薦ししたことを証明する、承認済みのI-20を追加書類とし提出することを求める質問書が移民局より発行されます。

 この新規則についてのご質問やご相談は弊所までお問い合わせください。

 STEM OPT延長ルールの詳細についてはこちらをご覧ください。

https://www.federalregister.gov/articles/2016/03/11/2016-04828/improving-and-expanding-training-opportunities-for-f-1-nonimmigrant-students-with-stem-degrees-and#h-87

Eビザという選択肢

ある特定の国から、アメリカで、働く、投資する、ビジネスを興すといった目的でアメリカに来る人にとって、一つの選択肢として考えられるのが”E”ビザです。本記事では、E-1、E-2ビザについて簡単に説明するとともに、各カテゴリーの鍵となる問題や要件について、またアメリカでの就労許可を得るのにそれらがどのよう役に立つのかについても触れたいと思います。

Eビザとは何か?

Eビザカテゴリーは当初、アメリカと外国間の通商航海条約(FCN)に基づいて設けられ、両国の貿易と投資を統治していました。このビザの目的は、米国と友好関係にある国の国民に、両国間における貿易や投資に基づいて、アメリカで働く機会を与えるというものでした。なお一部の国ではE-1条約のみ認められています。現在の参加条約国のリストは以下リンクから確認できます。
https://travel.state.gov/content/visas/en/fees/treaty.html

E-1、E-2ビザのための基本的な要件として、その本人が前述の参加条約国の国民であること、また申請者となるアメリカの会社の少なくとも50%をその国の国民(または会社。アメリカ永住権保持者は不可)によって所有されていることが挙げられます。アメリカ外の会社の国籍は、会社が設立された場所や会社のビジネスが行われている場所ではなく、その所有者によって決定されます。国際的な上場企業であれば、その国籍は、その企業の株式が物理的に表記されている取引所、またその株式がその取引所で独占的に販売されているのであれば、その 取引所によって決定されるとしています。その企業が均等に所有され二つの異なる条約国の国民によって運営されている場合、どちらかの国籍の従業員のみが Eビザを取得することができるでしょう。

E-1条約貿易業者ビザ

E-1条約貿易業者ビザはアメリカで事業を展開する、または指揮する外国人のためのものです。また、その貿易は相当量でかつ国際的なもので、アメリカと条約国間の貿易が全貿易の半数を超えているなど、その貿易が盛んに行われている必要があります。

法律上求められる貿易とは何でしょうか?E-1ビザでいえば、”貿易”とは、アメリカと条約国間での国際的な商品やサービスなどが例としてあげられます。また先述の通り国際貿易の全体量の50%より多くの貿易量が、アメリカと条約国間での取引でなければならないことに注意しなければなりません。

更に考慮すべき重要な要素の一つが、「国際貿易の連続性」があるかどうかです。言い換えれば、貿易は一度きりの取引では成立しないということです。ただし、商品取引の即座交換を確立するような契約の統合に基づくものであれば可能です。

E-2条約投資家ビザ

申請者となるアメリカの会社の事業展開や運営、指揮をとるために、条約国からアメリカへの積極的な投資がある場合は、E-2ビザ条約投資家は一つの選択肢となり得るでしょう。それでは投資の条件とはどのようなものなのでしょうか?

投資は投資家がリスクを負わねばならず、つまり海外の企業資産に基づく融資、例えば不動産抵当付きローンや商業ローンを元にした融資は条件を満たしません。ただし投資家は個人資産の使用、または投資のために個人ローンを組むことは可能です。また投資は積極的に使われていなければならず、ビジネスへの使用が明確でない資金を単にアメリカの銀行口座に持っているだけでは、E-2ビザの条件として十分とはなり得ません。 土地自体の開発への投資とは対照的に、土地購入目的のみの投資は積極的な運用とは見なされない可能性があることからE-2ビザには不十分です。

また、投資は事業の規模に比例した相当額でなければなりません。仮に投資額をビジネスの価値やコストと比較した場合、投資の一部は投資家がビジネスを運営、開発、指揮する上で十分な額でなければなりません。ビジネスは多種多様な為、その相当額を示すのに必要な最低額というのはありませんが、政府はビジネスコストに関連する投資の割合を評価すると言われています。通常、ビジネスコストが下げれば下がるほど、より高い割合の投資が必要とされると言われていますが、決められた数字というのはありません。仮に新規のサービス事業で、それが軌道に乗るまでに10万ドルのコストがかかったとすると、それがそのビジネスの価値に対して高い割合をカバーするような投資であったとすれば、比例テストの条件を満たすかもしれません。ではどうやってそれを示すのか?投資の性質や範囲、例えば購入機器、在庫、リース契約などを示したり、もしくはビジネス自体の価値を示したりといった方法が挙げられます。

もう一つ重要な要素は、投資は営利目的でなければならず、非営利機関や団体であってはなりません。

まとめ

E-1やE-2ビザの条約国からの、役員や管理職クラスの主要な人員は、アメリカ企業の効率的な運営に不可欠なサービスを提供することが求められます。E-2条約投資家にとっては、外国籍者はビジネス活動を発展もしくは指揮、またはアメリカ企業の運営成果をあげるのに、必要不可欠なスキルを持っている必要があるのです。

各条約は、条約国の要件に基づき特定の条項を含んでいる可能性があります。例えば、イギリス国民は条約の利益を得るためにはイギリスに居住する必要があります。これらの要件に留意しておかなければ、せっかく練った計画に遅れや、将来的に大惨事を招きかねません。
今回のこの簡単な概要が、E-1やE-2ビザのプロセスに含まれる複雑さや、アメリカでの就労許可の選択肢を模索する際に生じる幾つかの問題に対して、少しでも役に立てれば幸いです。

L-1Aビザにおける管理業務の証明について

米国移民局の新たな決定によると、L-1A保持者として、米国にて国際的な業務を行うマネージャーをサポートする海外スタッフの証明は、L-1Aに分類される根拠の一つとして考えられるべきだと述べられています。

米国移民局の行政不服審査庁(AAO)は最近、L-1Aの分類のための「管理能力」をどのように決定するかについて拘束力のある決定を採択しました。具体的には、その個人がアメリカにてマネージャーとしての管理業務を遂行するかどうかの決定によって人材のレベルが判断される場合、そのマネージャーの日常の非管理職的業務については、申請者となるアメリカの会社と法的に関連性のある海外企業に在籍しているスタッフによって行われている旨の根拠については、米国移民局は考慮しなければならないとの判決内容です。

この申立内容の背景は次の通りでした。申請者は日本企業のアメリカ子会社。その外国人労働者はL-1A分類された申請者で、新たなアメリカでの事業の副社長兼最高執行責任者(COO)として配属を命じられました。同社がL-1A保持者のためのオフィス拡張を行っていた際には、在アメリカの同社には二人の従業員がおり、同時にアメリカの事業をサポートするスタッフも日本に8人在籍していました。

米国移民局は当初、 管理職または幹部職としての条件を満たしたL-1A就労者をサポートするのに、申請者が十分な「組織的構造」を持っていなかったとして、この申請を却下しました。日本における8人のスタッフがL-1A就労者であるマネージャーの日々の日常業務をサポートしていたとは認めなかったのです。

控訴審ではAAOは米国移民局の決定を撤回し、この申請をL-1Aとして分類し認可しました。AAOは、彼らのアメリカでのビジネスがまだ発展途上の初期段階であり、 海外のスタッフとその サポートサービスの必要性を、米国移民局は根拠として考慮すべきであったと判決しました。アメリカでの給与支払いに基づく従業員が少数しかいないことがL-1Aマネージャーとしての資格を有しているかどうかの決定に関連する一方で、それは必ずしもL-1A就労者が、管理業務とは言えない日常業務を主に行っていることを意味するものではない、としています。

この決定はここ最近アメリカにてビジネスを拡大しようとしている国際的企業や、事業の最初の数年間にアメリカにて十分な人材を確保できないことで、海外の人材に依存しなければならない企業にとっては特に喜ばしい判決結果と言えるでしょう。

参照:Z-A-, Inc., Adopted Decision 2016-02 (AAO Apr. 14, 2016)

2017年度新規H-1B受付けが4月1日より開始

2017年度(2016101~2017930日)の新規H-1B申請受付けが41日から開始されました。移民局は最初の5営業日、つまり47日までを正式な受付け期間としており、通常枠の65,000件そしてUS修士号以上の枠20,000件の年間上限発給枠数に対し、この5日間でそれら上限枠を超えた場合、その5日間に受け取られた申請書の中から正式に受領する申請書を選び出すランダムの抽選を行います。

ちなみ昨年の2016年度は全部で233,000件の申請があり、通常枠で計算上、約30%弱の当選確率(US修士号以上の枠では確率はそれよりも高くなります。移民局はまず修士号枠から抽選を実施し、その抽選で漏れた申請と通常枠を合わせた申請書に対して65,000件の受付け申請書を選び出す2回目の抽選を実施するためです)だったのですが、2017年度も受付け期限の47日には申請が締め切られ、抽選が予想されています。

なお、仮に今年度も抽選となると想定した場合、移民局はまず受け取った申請書類の仕分け等行い、抽選のためのデータ入力を行います。その後、無事抽選が終了し、すべての抽選結果通知が全申請者に届くまで、相当の時間がかかることも予想され、例えば、通常枠での申請の場合、ご自身の申請書が抽選に当選したかどうかを把握できるまで、数ヶ月以上かかる可能性もあるかもしれません。ただここ数年抽選が続いていることから移民局もそれを想定しての作業で例年よりこれら処理にかかる時間が早くなるかもしれません。しかし、それも今年の申請数がどれほどになるかにもよる部分があります。なお、昨年度のケースについてですが、抽選に当選した通常枠申請において、途中質問書が届いたなどもありましたが、最終的に結果が出たのが就労開始日予定の101日よりも後にずれ込んだケースもありました。それらから、通常枠のケースでも、就労開始までの間に早く結果を知りたいとなれば、場合によっては、途中、特急審査申請へのアップグレードを検討しなければならない状況も出てくるかもしれません。

なお、上記あくまでも新規のH-1B申請ですので、例えば、既にH-1Bを持っている方の転職に伴うH-1B申請や同じ会社からのH-1B延長申請などはこの対象外となります。

2017年度新規H-1B申請における特急審査の遅れ

近年の新規H-1Bの申請数を考慮すると、2017年度の新規H-1B申請も抽選となる可能性がとても高いでしょう。ここ2014年度から2016年度の新規H-1B申請について、受付期間となる4月1日からの最初の5営業日に学士号枠と修士号枠とも年間上限数を上回る申請を受け付けたことで、新規H−1B申請の抽選が行われました。

米国移民局は受け取った申請数をチェックし、申請者数が年間上限数である65,000 件(学士号枠)及び20,000件(修士号枠)に達した時点で公表することになっています。もし米国移民局が年間上限数以上の申請を4月1日から最初の5営業日内で受け取る場合、当局は無作為に新規H−1B申請の数を絞るため、コンピューターによる抽選システムを使用します。米国移民局は選択されなかった全てのH−1B申請は申請費用とともに申請者に返却し、またその5営業日よりも後に届いた申請書も受け付けないとしています。

そこで、特急審査申請の受付数と新規H−1B申請者数が最初の5営業日内で年間発給上限数に達する可能性を考え、米国移民局は一時的に特急審査の審査期間について調整しました。まずは全てのH−1B申請のデータ入力を優先させるために、米国移民局は新規H-1B に対する特急審査申請の処理について、遅くて2016年5月16日までは開始できない可能性があるとしています。

すなわち、雇用者は特急審査申請したとしても認可通知や質問状、または新規H-1B申請の否認結果について、 2016年5月31日以前には米国移民局からは何らアクションが得られない可能性があることを意味します。ただ一方で、予想よりも前倒しで特急審査が開始されることも示唆しています。

サイエンス/技術系(Science, Technology, Engineering, 又はMath、略してSTEM)を専攻する学生のOPT期間に関する修正法案

2016年3月11日、米国国土安全保障省はSTEMを専攻している外国人学生のOPTにおける修正法案を発表しました。修正法案では、STEMを専攻するF-1ビザ学生のOPT期間を当初の12ヶ月からさらに追加で24ヶ月延長できるとしています。すでにSTEM専攻の学生でOPTの延長の下働いている学生は、特定のの状況下、また特定の期間枠内でのみ、追加で7ヶ月の延長申請ができます(現在29ヶ月間のOPTが可能なため)。さらに、STEM専攻のF-1ビザ学生は、複数の専攻課程を卒業した場合、最高2つのSTEMの延長期限を持つことになるようです。また条件を満たすために、以前に取得したSTEMの学位を使用することも可能です。これらの修正法案は2016年5月10日に施行予定です。学校関係者、学生、雇用主がこの新法案を理解する手助けとして、The Student and Exchange Visitor Program (SEVP) は、移行計画、トレーニングプラン、一連のよくある質問の情報を含めたサイトを構築しました。
(https://studyinthestates.dhs.gov/stem-opt-hub)

この修正法案の一部には、雇用者は 、STEM専攻のOPTの学生の学習目的や、学生の目標達成の助けとなるような雇用者側の約束を明確にした正式なトレーニングプランが必要になる、としています。

DHS Pilots Know Employer Program DHSが既知雇用主(Know Employer )プログラムを試験的に実施しています

2015年1月、アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)は、ホワイトハウスの2015年移民近代化計画の一環として、ある雇用ベースのビザ給付要求に対する裁決の合理化を最終目標とした新しい既知雇用者プログラム(Known Employer programを試験的に実施していることを発表しました。 L-1ブランケットのプログラムと同様に、このKnow Employer 試験プログラムでは、H-1BL-1A、L-1B、TNなどの非移民ビザや、EB-1-2 やEB-1-3などの移民カテゴリー等の個々の申請を行う前に、このプログラムに参加している米国雇用主は、自社が参加資格の必要最低要件を満たしているかどうか事前審査を受けるための申請を移民局に対し行うことができます。

推奨申請プロセス:

具体的には、試験プログラムへの参加許可を得た雇用者は、() 雇用主の企業構造および運営や財務状況に関する文書やその他の証拠と、(ii)フォームI-950 (Application for Predetermination under Known Employer Program) をインターネット上のウェブライブラリー「Known Employer Document Library (KEDL)」にアップロードします。また、KEDLにアップロードした文書へは、 合衆国税関・国境警備局(CBP)および米国務省(DOS)が それぞれの審査の補助として利用する目的でアクセスすることが可能です。

移民局はその後、提出された書類を審査し、 雇用主が申請するカテゴリーそれぞれに定められる企業要件を満たしているかどうかを事前に決定します。 

アメリカ移民局が雇用者の事前決定要求を承認した場合、その後雇用主は個々のケースで自社に関する文書を再提出することなく、従業員それぞれに関する嘆願書または申請書のみを提出するだけで十分となるでしょう。これは移民局が個々の 嘆願や申請において、ビザ申請上の職務内容や従業員のビザ取得のための有資格性など残りの要件のみ審査するということを意味します。 

試験プログラム(1年間)に参加する5社: 

試験プログラムの開始日である2016年3月3日時点では、 Citigroup, Inc、Ernst & Young LLP、Kiewit Corporation、Schaeffler Group USA, Inc 、Siemens Corporationの5社が本プログラムへの参加を発表しています。

試験期間は1年間と予定されていますが、アメリカ移民局は当局の裁量で試験期間を終了させたり延長させたりすることができます。従って、この試験プログラムが実行期間中に他の雇用主のために延長されるかどうか、または1年を超過して延長するかどうか、ましてやプログラムが最終的に成功するかどうかを現時点で判断するには時期尚早です。 

プログラムの目標:

プログラムが成功した場合にアメリカ移民局が本プログラムに期待していることは: 

  • 雇用者が提出する書類や移民局が保管する書類の量の削減
  • 雇用ベースの嘆願書や申請書の裁決の一貫性の促進 
  • 移民局内のより良い効率化を達成するための審判プロセスの合理化
  • 入国管理局や領事の効率性と一貫性を高めることを目的とし、CBPとDOSへのより良いサポートの提供

繰り返しますが、この試験プログラムはまだ開始したばかりです。したがって、この雇用ベース給付申請・裁定プロセス合理化の可能性についてあまり期待しすぎるのは時期尚早と言えるでしょう。

詳細についてはこちらをご覧ください。:
https://www.uscis.gov/working-united-states/known-employer-pilot

米国にて就労できる期間を最長3年間とする規定発表予定

米政府は、米国の大学にてScience, Technology, Engineering又はMathematics (STEM) を専攻する外国人学生が、 米国にて就労できる期間を最長3年間とする規定を今週金曜日(3月11日に発表する予定です。)
これによって、現在のSTEM OPT (Optical Practical Training program)の最長期間が更に7ヶ月延長される事となります。尚、本規定は、2016年5月10日から有効となります。

ビザ免除プログラムの改定

皆さんの中には既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、米国政府は、2016年1月21日を開始日として、ビザ免除プログラムの改定を行いました。こちら、昨年のビザ免除プログラムの改定及びテロリスト渡航防止法の施行を受けてのもので、下記に該当する方は、今後アメリカに入国の際は、ビザ免除プログラムではなく、B-1ビザなど、特定のビザを取得した上でのアメリカ入国が求められます(下記、日本国政などビザ免除プログラムの参加国籍であることを前提としています)。

  • 2011年3月1日以降にイラン、イラク、スーダンまたはシリアに渡航または滞在したことがある方(ビザ免除プログラム参加国の軍または外交目的による渡航に対しては、限られた例外有り)
  • 日本人などビザ免除プログラム参加国の国籍と、イラン、イラク、スーダンまたはシリアのいずれかの国籍の二重国籍をもつ方

上記の該当者は、今後のアメリカ渡航の前に、アメリカ大使館・領事館にてビザ申請を行うようにしてください。なお、商用、医療、人道的理由などによる緊急の際は、アメリカ大使館・領事館による迅速に対応が期待できます。

なお、イラン、イラク、スーダンまたはシリアへの渡航が下記の理由である場合など、国土安全保障省長官が法執行機関やアメリカの国家安全保障上の利益になると判断した場合には、上記の制限を免除する場合があります。

  • 国際機関、地域機関、政府機関の代表として公務を遂行するための渡航
  • 人道支援を行うNGOを代表して任務を遂行するための渡航
  • ジャーナリストとして報道目的のための渡航
  • 「包括的共同作業計画」( 2015年7月14日)の合意後に合法的な商用目的のためのイランへの渡航
  • 合法的な商用目的によるイラクへの渡航

なお、これら免除を受けられるかは個別に審査されます。

また、2016年2月18日、国土安全保障省は、イラン、イラク、スーダン、シリアに加え、リビア、ソマリア、イエメンの3ヶ国を該当国として追加すると発表しました

2017年度新規H-1B申請について

2017年度新規H−1B申請の申請受付開始まであと6週間となりました。それまでにしっかりと申請書類を完成させるためにも、雇用者の方々には、LCAの提出の開始、また必要な書類をできるだけ早く収集しておくことをお勧めします。昨年、米国移民局は233,000件の新規H-1B申請を受け取ったとしており、今年もその数は増える可能性が高いという話も出ています。H-1B申請の競争激化から、DOL(労働省)が受け取るLCAの数も殺到することが予想されます。LCAは移民局申請に先駆けて労働局より認証を得なければならず、LCAの準備も含め、その他の必要書類(企業関連資料、成績証明書、卒業証明書その他必要書類)も事前に入手しておくことで、手続き上の遅延を回避することにつながるでしょう。

なお、米国で卒業証書が2016331日までに授与されない場合ですが、米国移民局は、 卒業証書を受け取っていなくても、学位取得の要件をすでに満たした H-1Bの申請であれば認可した事例があります。ただし申請書類の中に、申請者が学位の取得要件を全て満たしたことを、それら情報の提供の資格を有した学籍事務官や学部長、部局長により証明された書類を含める必要があります。

米国移民局は一人のH-1Bの応募に対して同じ会社から複数の申請がなされた場合、却下または取り消しを行い、またその申請費用も返金されません。加えて、前回の記事でも言及したように、50人以上のフルタイム従業員を雇用し、その内の50%以上がH−1Bステイタスによるものである場合、追加申請費用が値上げとなっておりますので、重ねて注意してください。

4月1日の受付開始日から最初の5営業日内に新規H−1B申請を提出しなかった場合、仮に今年も昨年のように多くの申請が一気に押し寄せることを想定すれば、2017年度のH-1B受付枠の中に入ることができない可能性がありますのでくれぐれもご注意ください。

なお、新規のH-1Bについて、特定の雇用主をスポンサーとする場合など、一部H-1B年間上限枠の対象外となるものもありますので、その場合は、この新規H-1B申請に関するタイミングについては問題ございません。