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サイエンス/技術系(Science, Technology, Engineering, 又はMath、略してSTEM)を専攻する学生のOPT期間に関する修正法案

2016年3月11日、米国国土安全保障省はSTEMを専攻している外国人学生のOPTにおける修正法案を発表しました。修正法案では、STEMを専攻するF-1ビザ学生のOPT期間を当初の12ヶ月からさらに追加で24ヶ月延長できるとしています。すでにSTEM専攻の学生でOPTの延長の下働いている学生は、特定のの状況下、また特定の期間枠内でのみ、追加で7ヶ月の延長申請ができます(現在29ヶ月間のOPTが可能なため)。さらに、STEM専攻のF-1ビザ学生は、複数の専攻課程を卒業した場合、最高2つのSTEMの延長期限を持つことになるようです。また条件を満たすために、以前に取得したSTEMの学位を使用することも可能です。これらの修正法案は2016年5月10日に施行予定です。学校関係者、学生、雇用主がこの新法案を理解する手助けとして、The Student and Exchange Visitor Program (SEVP) は、移行計画、トレーニングプラン、一連のよくある質問の情報を含めたサイトを構築しました。
(https://studyinthestates.dhs.gov/stem-opt-hub)

この修正法案の一部には、雇用者は 、STEM専攻のOPTの学生の学習目的や、学生の目標達成の助けとなるような雇用者側の約束を明確にした正式なトレーニングプランが必要になる、としています。

米国にて就労できる期間を最長3年間とする規定発表予定

米政府は、米国の大学にてScience, Technology, Engineering又はMathematics (STEM) を専攻する外国人学生が、 米国にて就労できる期間を最長3年間とする規定を今週金曜日(3月11日に発表する予定です。)
これによって、現在のSTEM OPT (Optical Practical Training program)の最長期間が更に7ヶ月延長される事となります。尚、本規定は、2016年5月10日から有効となります。

2017年度新規H-1B申請について

2017年度新規H−1B申請の申請受付開始まであと6週間となりました。それまでにしっかりと申請書類を完成させるためにも、雇用者の方々には、LCAの提出の開始、また必要な書類をできるだけ早く収集しておくことをお勧めします。昨年、米国移民局は233,000件の新規H-1B申請を受け取ったとしており、今年もその数は増える可能性が高いという話も出ています。H-1B申請の競争激化から、DOL(労働省)が受け取るLCAの数も殺到することが予想されます。LCAは移民局申請に先駆けて労働局より認証を得なければならず、LCAの準備も含め、その他の必要書類(企業関連資料、成績証明書、卒業証明書その他必要書類)も事前に入手しておくことで、手続き上の遅延を回避することにつながるでしょう。

なお、米国で卒業証書が2016331日までに授与されない場合ですが、米国移民局は、 卒業証書を受け取っていなくても、学位取得の要件をすでに満たした H-1Bの申請であれば認可した事例があります。ただし申請書類の中に、申請者が学位の取得要件を全て満たしたことを、それら情報の提供の資格を有した学籍事務官や学部長、部局長により証明された書類を含める必要があります。

米国移民局は一人のH-1Bの応募に対して同じ会社から複数の申請がなされた場合、却下または取り消しを行い、またその申請費用も返金されません。加えて、前回の記事でも言及したように、50人以上のフルタイム従業員を雇用し、その内の50%以上がH−1Bステイタスによるものである場合、追加申請費用が値上げとなっておりますので、重ねて注意してください。

4月1日の受付開始日から最初の5営業日内に新規H−1B申請を提出しなかった場合、仮に今年も昨年のように多くの申請が一気に押し寄せることを想定すれば、2017年度のH-1B受付枠の中に入ることができない可能性がありますのでくれぐれもご注意ください。

なお、新規のH-1Bについて、特定の雇用主をスポンサーとする場合など、一部H-1B年間上限枠の対象外となるものもありますので、その場合は、この新規H-1B申請に関するタイミングについては問題ございません。

H-1B 保有者の運転免許証更新について

多くの州において、H−1B保有者の運転免許証は、有効なH−1B認可証の期限迄となっています 。よくあるケースとしては、H−1B延長申請が通常申請にて申請された数ヶ月後に、申請が未だ審査中であり 、免許証の期限も切れる事に気づく事が あります。このような場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

米国移民局は、H−1B延長申請が審査中である限り、I-94に記載してある滞在期限が切れた後も最長240日間迄同じ雇用主の元にて就業する事を認可しています。 H−1B保持者は、延長申請が審査中に米国外に旅行する事は避けなければなりません。申請書の受領書があれば、免許証を一時的に更新するDMVもありますが、カリフォルニア州のDMVでは、延長申請が審査中の場合免許証を更新する事ができず、免許証が切れた場合でも、グレースピリオドはありません。このような場合、H−1B保有者は、審査中の申請書を特急申請にアップグレードする、 又は特急申請が不可である場合には、他の交通手段を確保する必要がある事を雇用主と協議するのが良いでしょう。

H−1B延長申請が認可されたら、H−1B保持者は免許証の更新手続きを始めるができます。詳細は、DVMのウェブサイトを参照して下さい。又、免許証を更新する場合には、以下の書類を持参して下さい。

  • オリジナルの認可証
  • H−1B申請書のコピー

新たな免許証が発行される迄、DVMは約60日間有効の仮免許証を発行する事となります。

L-1 及び H-1B の追加費用の値上げ

L-1及びH-1B申請には2010年8月から2015年9月30日まで、総従業員数50人以上の会社でその50%以上の従業員がH-1B、L-1A、L-1B保持者である場合、追加申請費用がかかっていました。それが2015年12月18日に2016年度予算案が議会を通過したことで復活し、これまでの費用から値上がりし、L-1申請に対しては$2,250から$4,500へ、H-1B申請に対しては$2,000から$4,000となりました。

なお、在日アメリカ大使館、領事館でも2015年12月21日よりこの条件に該当する特定のブランケットLビザ申請に対し$4,500が課されています。これは通常の$190のビザ発行費用と$500のLビザ詐欺防止費に追加される費用です。もしこの条件に当てはまる場合、I-129SフォームのPart1Aの二つの質問にYesと回答し、ビザ面接の際にこの費用を支払う必要が有ります。なお、移民局申請もそうですが、L-2はこの費用に該当しません。

ちなみにこの費用は新規及び延長申請ともに必要です。ただ、この条件に該当するスポンサー会社は全体のほんの一部に過ぎず、多くの場合は該当しないのですが、今後、通常ケースにおいても申請費用の値上げという流れが近く及んでこないとも限りません。今後に注目です。

アメリカ移民局のL−1Bビザ審査状況

会社特有の専門能力を持つ従業員を企業内転勤者としてアメリカに派遣する際、L-1Bビザが申請オプションとなる場合が多くあります。アメリカ移民局の発表によると、2015年会計年度においてアメリカ移民局が受け取った、L-1B申請総数は13,626件で、そのうち、約76%(10,368件)の申請が認可され、約25%が却下されたとのことです。現在、2,116件のL−1Bビザ申請が審査中となっています。

 

2014年会計年度のL−1Bビザ申請の却下率は35%に達していましたが、その数は大きく減少傾向にあると言えます。

 

参照:

http://www.aila.org/infonet/uscis-performance-data-l-1b-petitions-for-fy2015

http://nfap.com/wp-content/uploads/2015/03/NFAP-Policy-Brief.L-1-Denial-Rates-Increase-Again.March-20151.pdf

 

L-1 ブランケットプログラムに基づくLビザ保持者の滞在、就労期限について

2015年10月8日、アメリカ弁護士協会とアメリカ国務省連絡委員会により発行された通達はとても重要な内容となっています。

 

Lブランケットプログラムに基づいたL-1ビザ査証申請は、アメリカ大使館、領事館での面接申請のみでビザが取得できるというメリットがあり、提出書類の中にフォームI-129Sというものがあります。面接が無事に終了し、ビザ査証が発行される際、このフォームI-129Sにビザの有効期間が手書きで記載され、ビザ査証とともに返却されるのですが、アメリカ国務省は、今回の通達のなかで、このI-129Sの有効期間の取り扱いに関する現国務省ポリシーについて、明確な解釈を示しました。

 

このI-129Sへの有効期間の記載は、アメリカ大使館、領事館の領事により行われるのですが、その日付に対し、実際に発行されるLビザ査証の有効期限、更にはアメリカ入国時に入国審査官により決定される就労及び滞在期限と異なるなど、多くの疑問が残っていました。

 

とりわけ、世界各国のアメリカ大使館や領事館、またアメリカの各州国際空港など税関国境警備局(CBP: 空港などアメリカへの入国審査機関)における審査官に対するトレーニングが未だ続いており、その状況もまた、I-129Sに記載すべき有効期間やビザの期間、またI-94の期限の決定について混乱が続いている要因のようにも思われます。

 

とりわけこの混乱は、2012年2 月のアメリカ国務省による22 CFR §41.54法の修正以降に顕著となり、国務省の発行するLビザ査証の有効期間(有効期限)と移民法上のLビザ認可期間とは全く異なるものとなりました。結果、国務省は各国との互恵協約(Reciprocity Agreement)に基づきビザ有効可能期間の上限まで有効なLビザを発行しています。日本など多くの場合、5年有効なLビザが発行されており、この期間はI-129Sに記載されるLブランケット有効期間に記載される最大期間(新規であれば3年、延長であれば2年)と異なる状況が発生しているのです。

 

このように、面接時に提出するフォームI-129Sの記入欄には就労リクエスト期間(通常、新規であれば3年、延長であれば2年)を明記している一方で、政府の発行証によってそれぞれに有効期間が異なることから、多くのビザ保持者がどの有効期間に基づいてアメリカに滞在し、アメリカで就労すべきか困惑していることでしょう。

 

なお、最近実施された連絡協議会(2014年10月9日)において、アメリカ国務省は、Lビザ査証の有効期間が充分残っている状況でも、当初ビザ認可時にI-129Sに記載された有効期限を迎えるのにあわせ、アメリカ国外にあるアメリカ大使館、領事館にて、新しいLビザ申請が可能である旨、明確に解釈発表しました。更に、アメリカ国内においても、ステータス及び滞在延長するため、アメリカ移民局に対して個人ベースでLビザ延長申請を行うことも可能です。

そこで今回2015年10月8日、アメリカ国務省はLビザ認証時にフォームI-129Sに記載される有効期間は、アメリカ移民局に対してLブランケットプログラムを通してではない個人ベースで申請したケースで移民法上認められる有効期間と同じとなることを示しました。つまりI-129Sに記載の期間が、法律上アメリカに滞在し就労できる期間である、と明確に基本方針を発表しました。

 

一方、アメリカ入国時にCBP入国審査官により決定されるI-94上の有効期限について、入国審査官は、L-1ビザ査証の有効期限またI-129Sの有効期限に関わらず、アメリカ入国時から3年という一貫した滞在及び就労期限を設定してきました。公式な発表は行われていませんが、CBPはLブランケットプログラムを通して取得したLビザ保持者によるアメリカ入国に対し、この3年の滞在許可期間をとりやめ、新しいポリシーに基づいて有効期限を与えているようです。その新しいポリシーとは、アメリカ入国時、最大で3年の滞在及び就労期間を与えるというもので、以下の条件を満たしていることを前提に決定されます。

 

  • 必要なパスポート有効期間が残っている
  • 有効期間が記載され、有効なフォームI-129Sを持っている
  • 移民法上定められたLビザ期間(L-1B: 最大5年、L-1A:7年)を超えた滞在期限を与えない

 

しかし、未だにアメリカ入国審査官は一貫性のない滞在期限を決定しているとの報告が続いており、(1) 入国時点から3年後、(2) I-129Sに記載の有効期限、(3) Lビザ査証に記載の有効期限(発行時から最大5年)、(4)パスポートの期限、等、多様です。

 

結果として、場合によっては、CBPの入国審査官によって決定されるI-94の期限がI-129Sに記載の期限より先になるということも起こっています。この場合、I-129Sの有効期限以降I-94期限までの期間は合法的に就労ができるのか、という疑問が湧いているのも事実です。

 

そのような疑問があるにもかかわらず、未だにCBPの対応は変わらず、 最終的な入国を認めるのはCBPの入国審査官であり、更に、移民局またアメリカ国務省の認証期間にかかわらず就労及び滞在期限を最終決定するのもまたCBPの入国審査官による裁量ということにもなるわけです。つまり、CBPの発行するI-94は、ビザ査証やI-129Sなど他の政府発行証書がもつ効力を上回る最たるものであることを意味し、LブランケットベースのLビザ保持者に対する就労及び滞在期限の扱いもまた、他の政府発行書類を凌ぐ扱いがなされるものとなることから、このような状況でもI-94の日付に従って雇用が継続できるとの解釈もできます。

 

しかしながら、この解釈は2015年10月8日に発表されたアメリカ国務省の示す方針とは矛盾し、国務省方針そのものが意味をなさないものともなるのですが、今回の国務省による方針内容はCBPの現方針を取り入れたものであることから、今後は、今回の国務省による方針に従うべきでしょう。

 

従って、I-129Sに記載の有効期間は移民法上定められた有効期間と一致するはずですので、その期間が合法的にアメリカでLビザ保持者として就労可能な期間となります。今後、アメリカ入国時にI-129Sの有効期限を越えたI-94の有効期限が与えられた場合、それは入国審査官による間違いであることを認識してください。

 

このようなI-94の期限日が設定された場合、I-129Sの有効期限を越えた期間の就労は行えず、入国審査官の発行するI-94は信用すべきではないとのスタンスを弊社ではとっています。I-129Sに記載の日付を優先してください。

 

ここで、十分気をつけていただきたいことは、仮にI-94の期限が残っている状況でも、I-129Sの有効期限を迎える前に必ず何らかの形で、延長申請を行うということです。大きく分けて二つありますが、アメリカ国内であれば、アメリカ移民局を通して延長申請を行う、もしくはアメリカ国外のアメリカ大使館、領事館にて新たなビザ査証とともに新たな有効期間が記載されたI-129Sを入手するという申請方法がありますので、I-129Sの有効期間についてはしっかりと覚えておくようにしてください。

What STEM (Science, Technology, Engineering 及び Math) OPT (Optional Practical Training)の延長期間に対する草案

米国国土安全保障省は、米国で就労している外国人学生の為のオプショナルプラクティカルトレーニング(OPT) の延長期間に対する草案を最近発表しました。提案された規定は、サイエンス/技術系(Science, Technology, Engineering, 又はMath) (STEM)を専攻する外国人学生が米国にて就労できる追加期間を、現在の17ヶ月から2年間へと延長するものです。

 

従来の規定と同様に、 認可された大学にてSTEMの分野を専攻し、雇用主がE-Verifyプログラムに登録している学生のみにSTEM OPTの2年間の延長が適用されます。又従来のキャップギャップルールも同様に適用され、H-1B申請が指定期間内に申請されていれば、H-1Bステイタスが有効となる10月1日迄F−1ステイタスと就労許可(Employment Authorization)を自動的に延長する事ができます。

 

STEM OPTの延長期間が24ヶ月間迄延長される事に加え、提案されている新たな規定は、正式な育成/指導及びトレーニングプラン を雇用主に義務づけ、STEMプログラムの学生及び卒業者の為の新たな賃金保護も含みます。

 

本草案に対して、2015年10月19日から30日間一般からの意見を公募しています。その後DHSは、寄せられた意見等を参考、考慮して、最終的な規定を発表する事となります。

 

本件に関する意見等は、2015年11月18日迄にDHSに受領されなければなりません。尚、意見等は、政府の電子ドケット管理システム(Federal Docket Management System (FDMS))上の本草案に関するDHSのドケットナンバー、ICEB-2015-0002 (http://www.regulations.gov.)にアクセスし、指示に従って提出する事ができます。

 

 

L-1Bビザの新たな覚書

アメリカ移民局によるL-1Bビザの審査は日々厳しくなっており、政府発表の統計データを見ても、多くの質問状の発行、また高い却下率となっています。そこで、アメリカ移民局はL-1B条件を満たすためにどのような根拠を示すべきかについて、2015年8月17日、新たな覚書を発表しました。

まず、今回発表の覚書では、L-1Bで求められる専門的知識(“specialized knowledge”)について、specialまたは advanced knowledgeのどちらかに区別して審査することとしています。

アメリカ移民局は、special knowledgeについて、ビザスポンサー会社の商品、サービス、リーチ、設備、技術、マネジメント等の知識と定義しており、同業界において一般に得られるそれら知識に比べても明確に異なり、高度に稀なものであり、国際市場で生かされるべき知識です。一方で、それら知識は、必ずしも特許や商標で守られているなど会社特有なものである必要はありません。

またadvanced knowledgeについては、ビザスポンサー会社の特定のプロセスや手順等に関する知識や専門性としており、それらは関連業界で一般に得ることのできないもので、且つ会社内においても、既に高度に培われている、または更なる発展過程にあるべきもので、複雑で高度な理解力が求められる知識と定義しています。ただ、それら知識は、スポンサー会社内において一握りの従業員のみが有する知識までは求めていません。

更に、アメリカ移民局は申請者(ビザ受益者)の専門的知識(specialized knowledge)の有無を判断する際、次の6つの項目を重要視します。

  1. ビザ申請条件として必要なアメリカ国外の関連会社で得た知識がアメリカのビザスポンサー会社のビジネスに対して著しく価値あるものか
  2. ビザ申請条件として必要なアメリカ国外の関連会社において、ビザ受益者が、その専門性及び知識を通して、会社の生産性、競争力、イメージ、財務事情を著しく強化させるような業務に関わっていたか
  3. ビザ申請条件として必要なアメリカ国外の関連会社での経験を通してのみ、通常得られる専門知識であるかどうか
  4. 膨大なコストや時間また会社として不都合を受け入れない限り、他個人に簡単に伝達または教育できないレベルのものであるか。(一般にそれら専門的知識を得るためには高度なトレーニングや長期の専門分野での職歴が必要であり、更にそれらにはコストや時間もかかるため、例えばアメリカのポジションに対し、ビザ受益者が持つような知識を持つものの任命が急務である場合、他者の現地採用には時間とコストがかかるだけでなく、ビザ受益者を必要なタイミングで派遣できないことで会社に多大な損害が及ぶ状況となるか)
  5. プロセスや商品の専門的知識がアメリカのビザスポンサー会社にとって特有なものでなくとも、洗練されている、複雑である、又はハイテクなものであるか
  6. アメリカのビザスポンサー会社の市場競争力を高めるものか

上記を踏まえ、今後L-1B申請にてサポートレターを作成する際、弊社提案として以下のような点に注意して専門知識の説明を行うべきでしょう(専門的内容を含みます)。

  • Specialとadvancedの知識を明確に区別すること。Specialized、special、そしてadvancedという3つの言葉を混同しないようにしましょう(Specialized = special and/or advanced.)。
  • 会社特有の知識(特許、商標、IP申請など)であることを立証できる補足資料等を提出できない限り、”proprietary(会社特有の)“という表現は使うべきではないでしょう。もちろん会社として特許等持ち、それにビザ受益者が関わっているような場合、その内容を強調すべきでしょう。
  • proprietary(会社特有の)“という表現が使えない場合、”sophisticated(洗練された)“, “complex(複雑で)” 、”highly technical(ハイテクな)“というような表現を使うと良いでしょう。
  • ビザ受益者が持つ専門的知識は一握りの従業員しか持ち合わせていない場合、明確にその顕著さを数字化すべきでしょう。例えば全従業員200名のうち10名のみが持つ卓越した知識である等。
  • 申請上の肩書きを通して、明確に“specialized knowledge”を持つことを連想させることも重要でしょう。申請ポジションが仮に管理職でもL-1Bの申請であれば、例えば内視鏡に関わる“Marketing Director”のL-1B申請を行う場合、”Marketing Director of Endoscopic Instruments”と具体化させると良いでしょう。
  • 可能な限り同業他社また他の従業員との職務内容の違いや比較について説明すると良いでしょう。特に、なぜビザ受益者の職務内容を他従業員が遂行できないかの説明があればより効果的でしょう。
  • ビザ申請条件として必要なアメリカ国外の関連会社での職務内容及びアメリカでの予定の職務内容を箇条書きで書く場合、全体を100%として、それぞれに%を割り振るべきでしょう。またビザ受益者が専門知識を必要とするポジション(技術部など)であることが分かる組織図を加えると良いでしょう。L-1Bの申請でも移民局は質問状を発行し、組織図の提出を求めることがあります。
  • ビザ申請条件として必要なアメリカ国外の関連会社での職務内容及びアメリカでの予定の職務内容はより詳しく具体的に書くべきでしょう。
  • ビザ受益者が成し遂げた特定業務やプロジェクトは明確にリスト化し、それらを通して具体的に金額的にいくらの功績となったかを示すこと。具体的に金額を書いた方がより効果的でしょう。
  • ビザ受益者がもつライセンス、トレーニング履歴(単なる新入社員研修ではない専門的で高度なもの(OJT含む)等)について、補足資料の提出と共に説明すべきでしょう。
  • アメリカのスポンサー会社のポジションで求められる専門知識を通して、ビザ受益者がトレイナーとして他従業員や同業他社に対してトレーニングを実施したことがあれば、補足書類の提出とともにその実績に関する説明を加えると良いでしょう。
  • 申請上のアメリカのポジションにビザ受益者以外の新しい従業員を任命する場合、その職務遂行に必要な知識の教育にどれほどの長い時間とコスト、また会社として経済的、経営的にどれほどの損失(トレーニング自体がアメリカに存在しない場合など)がでるかを説明すると良いでしょう。

更に、最近の移民局のL-1B審査傾向の一つに、ビザ受益者の専門知識の証明に、サポートレター内だけでの説明では十分ではなく関連した立証資料をどれほど提出できるかも重要視していることが見受けられることから、この覚書の内容をしっかりと把握するとともに、より戦略的に申請書類を作成するが求められます。

L-1査証上の注意書(annotation)

最近、L-1査証上の注意書(annotation)が改定された模様です。これまでは、通常のL-1・ブランケットのL-1の区別なく、「認可されたI-797またはI-129Sを入国審査で提示する必要あり (must present approved I-797 or I-129S at POE)とされていましたが、新しい表記では、通常のL-1の場合「認可されたI-797を入国審査で提示する必要あり (must present approved I-797 at POE)」とされ、ブランケットのL-1の場合は「I-129Sを入国審査で提示する必要あり (must present I-129S at POE)」とされるようになりました。

これから新しくL-1査証を取得する場合は、この表記に間違いがないかどうかを確認するようにしてください。