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ICEによる2014年会計年度の就労サイト調査及び法的措置に関する報告書

ICE (U.S. Immigration and Customs Enforcement)(米国移民・関税執行局)は、就労サイトの調査及び法的措置、就業者や雇用者の刑事上及び行政上の逮捕、会計年度毎に徴収された罰金に関する情報を含む、2014年会計年度の報告書を発表しました。

 

ICEは、法的権限を駆使して 犯罪や移民/関税に関する違反の調査を行い 、その包括範囲は、人権侵害、薬物/武器/その他危険物等の不法持ち込み、人身売買、幼児ポルノ、知的財産権の侵害、就労不可外国人の不法就労等にも及びます。

 

ICEがこの度発表した情報は以下の通りです。

 

  1. 米国にて就労不可である外国人を故意に雇用した事に関して、172人の雇用者及び斡旋業の逮捕。

 

  1. 1,320件の監査通知 (就労者の就労資格確認に関するForm I-9監査)を送達し、合計罰金額が$16,206,022となる637件の最終命令を発行。

 

  1. 278の企業及び個人と政府間の業務停止措置。

 

  1. IMAGE (ICE Mutual Agreement between Government and Employers)(政府と雇用者間の相互合意プログラム)のコーディネイターによる、11,258人の雇用者への2,357回のプレゼンテーション、及び34 の新たな IMAGE 公認パートナーの追加。

 

ICEは今後も、米国にて就労不可な外国人を故意に雇用する者、不法就労者を虐待/悪用する者、密輸者、個人情報悪用者を特定/摘発する事に焦点をあてて

就労サイト調査及び法的措置を継続していく方針です。又、それに加えて、

E-Verify(移民局による新規就者の就労資格の確認システム)等の合法な雇用を促すシステムを使用する事を雇用者に奨励し、Form I-9監査、業務停止命令、罰金等を通じて、雇用者のコンプライアンスを助長していく方針です。

 

 

移民局による審査の遅れ

現在、移民局による審査期間に大変長い時間がかかっているようです。例えば、バーモントサービスセンターのH-1B申請について、移民局のオンラインケースステータス一覧(2015年8月31日時点)では、アメリカ国外から又はアメリカ国内でのステータス変更申請で約4.5ヶ月、また延長申請で約3ヶ月となっています。ただ弊社のケースの実態からすると、もっと審査時間がかかっているようです。今年4月に申請した新規H-1B申請においても、まだ最終結果が出ていないものもあります。その他O-1ビザなどでも移民局による発表では2週間となっていますが、1ヶ月以上かかっているケースもあります。

 

審査期間の長期化は特定のビザの種類に限らず、全体的な問題にもなっているようで、弊社のお客様でもなかなか結果が分からず困っている方もいます。その場合、もし申請が通常申請であれば、特急審査申請に切り替えることも検討する必要があるでしょう(特定のI-129申請など)。その場合、申請費用が追加で$1,225かかりますが、審査期間を縮め、スケジュール感を把握するという意味では、方法となり得るでしょう。今後審査期間が速くなることを望みます。

 

アメリカ社会保障局の新規則

2015年9月9日よりソーシャルセキュリティーカードの申請に関するアメリカ社会保障局の規則が変わります。申請には必要な申請フォームと滞在資格など必要な補足資料の提出が求められるのですが、今回、オンラインでの申請が可能となります。

 

これまではSS-5と呼ばれるフォームを記入し、社会保障局やソーシャルセキュリティーカードセンターに郵便または持参することでの提出方法のみでした。

 

ただ、ソーシャルセキュリティーカードの変更を必要としている人はオンラインではなく、ソーシャルセキュリティーオフィスでの申請が求められます。オンラインによる申請は近く可能となる見込みです。

 

これらオンラインによる方法が導入されることで、これまで懸念されていたソーシャルセキュリティーオフィスの混雑が少なからず解決されることが期待されます。

 

米国出国者の生体データ採取開始(テストプログラム)

米国の出入国管理を行うCBPは、 米国を出国する外国人旅行者の生体データ採取を開始したと発表しました。

米国を出国する外国人旅行者から、指紋とパスポート情報を専用の手持式 機械で読み取り、その旅行者が米国に入国した際に採取されたデータと照合して本人確認を行うというものです。

現時点ではアトランタ国際空港でのみ実施されていますが、今秋までに、シカゴ・ダラス(テキサス)・ヒューストン・ロサンゼルス・マイアミ・ニューアーク・ニューヨーク・サンフランシスコ・ワシントン-ダラスの各空港でもテストを開始するとのことです。テストは来年6月まで行われ、採取されたデータとその解析をもとに、将来の出国管理における生体データ採取システム構築に役立てる模様です。

プレクリアランス

2015年5月29日、アメリカ国土安全保障省は、アメリカへの出発前に、アメリカ国外の空港内でアメリカ入国審査を行う(プレクリアランス)対象国を増やす予定であると発表致しました。新しく対象となる国は日本、ベルギー、ドミニカ共和国、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、トルコ、イギリスの9ヶ国です。現在、国土安全保障省は各国と交渉しており、交渉が成功した場合には、これら国からアメリカ行きの直行便に乗る搭乗者全員に、各国からの出国前に空港内でアメリカの入国審査が行われることになります。

 

今回の発表では、渡米する前にアメリカの入国審査を行う事で、テロ対策の他、アメリカ入国手続きの円滑化、アメリカと各国間における商工業の利便性など、様々なメリットがあります。現状では既にカナダなど6ヶ国でプレクリアランスが実施されており、昨年度は約160万人の旅行者の審査が行われました。国土安全保障省のジョンソン長官は、よりスムーズな入国審査と航空安全、更に国土安全保証のためには、各国との協力が必須であり、今回更なるプレクリアランスが実現すればアメリカと各国の両方にとって有益であると、前向きに交渉を進める意志を示しました。

 

アメリカと日本の間でプレクリアランスの交渉が成功した場合には、東京の成田空港が対象空港となります。成田空港でのプレクリアランスの契約が成立されるまでは、まだ長い道のりが想定されるでしょうが、早い実現を期待したいです。

 

 

 

 

公立学校における身分証明書の必要性

1982年の最高裁判決により、米国では、不法移民であっても、小学校から高校までの公立学校に無料で通学できる権利が憲法によって保障されています。しかしNYの一部の公立学校では、入学手続きの一環として、生徒とその保護者のビザステータスを証明する書類の提出を求めていました。つまり憲法で保障されているはずの、不法移民の子供たちの公教育へのアクセスを阻害することを意味しています。NY州検事総長によると、このたび、こういった手続きを行っていた14郡にまたがる20の学区において、生徒や保護者のビザステータス確認を入学手続きの必要事項から削除することに同意したとのことです。

移民局の審査期間に関する最新情報

移民局による審査期間は、時期、また申請の種類によって異なりますが、主なビザの種類につきまして、現在(2015年1月20日現在)は下記の通りとなっております。
なお、こちらはあくまでも目安にしかすぎず、実際はそれよりも長く時間がかかるケースも見受けられます。

カリフォルニアサービスセンター:

  • H-1Bビザ: 約2ヶ月
  • Lビザ: 約1ヶ月
  • TNビザ: 約2ヶ月

ネブラスカサービスセンター:

  • I-140 (EB-2): 2014年7月16日以前に申請されたものを審査中
  • I-485(雇用ベース): 約4ヶ月

テキサスサービスセンター:

  • I-140 (EB-2): 2014年7月17日以前に申請されたものを審査中
  • I-140 (EB-3): 2014年6月27日以前に申請されたものを審査中
  • その他のI-140: 約4ヶ月
  • I-485(雇用ベース): 2014年5月18日以前に申請されたものを審査中

バーモントサービスセンター:

  • ブランケットLビザ: 約2ヶ月
  • Lビザ: 約1ヶ月
  • H-1Bビザ(カウンセラープロセスケース): 2014年4月7日以前に申請されたものを審査中
  • H-1Bビザ(ステータス変更): 2014年4月7日以前に申請されたものを審査中
  • H-1Bビザ(延長): 約2ヶ月
  • TNビザ: 約2ヶ月

EB-5審査:

  • I-526: 13.8ヶ月
  • I-829: 10.5ヶ月
  • I-924: 10.3ヶ月

E-Verifyプログラム最新情報

E-Verifyプログラムとは?

米政府が無料で提供しているオンライン管理サービスの一つで、企業が新規に従業員を雇用する際、その従業員が米国で就労する資格をもっているかどうかを判断するものです。E-verifyプログラム(以下、E-Verify)は SSA(社会保障局)とINS(現在のUSCISの前身)が設立したBasic Pilot Programを2006年に進化させたもので、企業が正確に新規従業員の就労資格の有無をより正確に判断する能力を強化することを主な目的としています。現在、約50万の企業がこのプログラムに登録していますが、米政府は登録の動機付けになるシステムの更なる簡素化に取り組むなど、更に多くの企業がこのプログラムに登録することを望んでいます。

ここで注意しなければならないことは、仮にE-Verifyを行うことで、雇用主である企業に対して別に求められているI-9プロセスが免除されることはない、ということです。E-Verifyは言い換えれば、追加要求されている従業員就労資格確認プロセスで、企業はE-Verifyのウェブサイトにログインし、新規雇用が適格であるかを確認した上でI-9プロセスを完了することとなっています。

E-Verifyプログラムの最近の進化

E-Verifyは当初に比べて著しく進化しており、現在では従業員となる各個人が自分の就労資格をこのシステムを通して確認、判定できるまでになっています。更に、誰でもオープンに、どの企業がE-Verifyに登録しているかを確認できる検索機能も備えています。

最近でも、DMV(Department of Motor Vehicles)が”RIDE”イニシアチブにおいて、E-Verifyとの協力支援のパートナーシップを組み、E-Verifyへの雇用者による運転免許やIDカード(身分証明書)の入力データと、その州のDMV自体が持っている記録とが適合しているかを確かめることもできることから、雇用者が入手した新規従業員の運転免許などの情報が正確なものなのか、その合法性そして有効性を確認することもできるのです。RIDEは偽造文書による不法雇用を防ぐために追加されたステップです。現在では、まだごく少数の州のみのこのE-Verifyへの加入登録にとどまっていますが、正確に就労資格を判定し、偽造のIDが引き続き蔓延することを断ち切るためにも更により多くの州の登録加入が望まれています。

更に、企業や関係者からのフィードバックを基に改良がなされたのですが、主なものをいくつか紹介します。

1.重複ケースの警告として、企業が新規従業員の社会保障番号(SSN)を入力した際、直近の30日間に同じSSNが既に入力され、別の会社での雇用の為に記録が残っている場合、雇用主となる企業に通知がある。

2.新規に従業員を受け入れる企業が、その都度必要情報をタイプして入力するよう元来のPre-Populated Text(入力欄で自動的に過去の入力情報が認識され表示される機能)システムが排除された。

3.常に企業の連絡先を最新の情報とするため、例えばパスワードの有効期限が切れる際には、連絡先となる企業のEメールアドレスや電話番号が更新また認証されるようになった。 

E-Verify登録にあたってのメリット

総体的なメリットとしては、繰り返しとなりますがE-Verifyを通して新規に採用する従業員に就労資格があるかを確実に確認ができるという点です。また就労資格があると認証されない場合においても次にとらなければならないステップについてシステム上に案内が出ます。

科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学(“STEM”)の米国の学位を持っているF-1ステータスの学生の雇用を検討している場合、E-Verifyに登録している企業であれば、新規従業員となるその学生に通常の12ヶ月のOPT(Optional Practical Training)期間に加えて更に17ヶ月の延長が可能となります。

E-Verify登録に必要なこと

E-Verifyに登録するためには指定のウェブサイトを開き、登録に求められる規約に同意しなければなりません。また、様々に必要情報を入力もしなければなりません。また、登録後、新規従業員の就労資格確認は雇用から3日以内に認証を得なければなりません。登録について、雇用主となる企業側の義務など、多くの情報がDHS(国土安全保障)、USCIS(米国市民権・移民業務局)のウェブサイトにて閲覧できます。http://www.uscis.gov/e-verify.   なお、上記のSTEMの学位を持っているF-1ステータスの学生の雇用を検討している企業に加え、米国政府に関わる企業など、特定の企業のみこのE-Verifyシステムが義務化されている現状なのですが、将来的には全米すべての企業に対してこのシステムが義務化されるのではないかという意見も出ています。 引き続き、今後の動きに注目したいと思います。 

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